「春」の語彙マップを作ろう
語彙の勉強は単に語彙の意味を知って使えるようになるだけでなく、そのことばを通して対象言語を使う人たちの考えに触れたり、そこから自分たちの考えや文化についても振り返るような機会にもなると考え、実践したプロジェクト学習である。
Category
- 言語
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- 日本語
- 対象
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- 大学生
- 活動タイプ
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- プレゼンテーション
- 作品制作
- アウトプット
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- 語彙リスト
- 話題分野
-
- ことば
- 自然環境
- 行事
- 食
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単元目標
学習レベル 2~4
・「春」に関連することばの意味を理解し、語彙マップを作成することができる。
・「春」に関連することばから、日本での「春」のイメージを理解したり、自国との類似点や相違点に気づく。
・「春」や「季節感」について、各国の類似点や相違点に気づく。
・グループでの共同作業をすることを通して、クラスメートとの関係性を高める。
インタビュー
このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。
2016年前期の授業(4月)で実践したものです。
どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。
外国語学習のめやすマスター研修2015での他の参加者(亀井みどりさん)の実践報告からアイディアを得ました。
季節に関することばは国によって違うと思うので、単にことばを学ぶだけでなく、文化についても考えることができるテーマではないかと思い、実践することにしました。
実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。
大変好評でした。
・日本で「春」から連想することばについては、自分たちが思ってもいなかったことばもあり、そこから日本人の考え方について改めて考える機会になったという声がありました。また、そのような気づきから自分の国のことについても考える機会になったという声もありました。教科書では学べない言葉をたくさん学べてよかったという声も多かったです。
・語彙マップ作成については、他の学生と話し合い、カテゴリー化をすることで、他の人の考えが分かったり、ことばを整理することができてよかったと言う学生もいました。
このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。
・実践してよかったと思っています。テーマを決めて、自国との比較や他の学生と話し合うことを通して、ことばの裏(奥?)にある、文化についても考える機会になり、学生も楽しんで学んでいるように思いました。
・単に語彙の意味を知って使えるようになるだけでなく、そのことばを通して対象言語を使う人たちの考えに触れたり、そこから自分たちの考えや文化についてもふりかえるような機会にもなる点が効果がある点ではないかと思います。
同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。
・語彙リストはあまり多くなると、ことばの意味を確認するのに時間を取られてしまい、マップ作成やそこからの気づきなどを話し合う時間を取るのが難しくなってしまうので、意味は事前に調べてくるようにしたり、単語数や難易度を調整したりするといいのではないかと思います。
・さまざまな国の学生がいるクラスの場合は、学生の国で考えられる「春」のことばをマップに作成し、話し合うことからも気づきが生まれると思います。時間に余裕がある場合は、その時間も入れるとより学びが深まるのではないでしょうか。
・国によっては「春」がない国もあると思いますが、そのような学生がいた場合にどうするかも考えておいた方がいいかなと思います。
執筆者
「外国語学習のめやす」マスター研修(2015)の修了者。参加当時は愛知県立大学非常勤講師(日本語担当)。