音声を扱う授業のあれこれ

音声を扱う授業のあれこれ

ICT活用術

松﨑真日(まつざき まひる)

前回「ラジオドラマ制作(http://www.tjf.or.jp/meyasu/support/writer/matsuzakimahiru/post-19.php)」を行う韓国語授業をご紹介しました。学生の創作意欲が作品として結実するのが醍醐味なのですが、音声という「かたちのないもの」を取り扱って作品に仕立てるという少々工夫が必要な側面もあります。一見難しそうなのですが、ここでは私の授業で音声を取り扱う方法をご紹介したいと思います。

2015年8月3日 閲覧者数125人 コメント数0件

Category

言語
  • 韓国語
対象
  • 大学生
活動タイプ
  • 作品制作
アウトプット
  • 台本
  • 音声作品
話題分野
  • 人とのつきあい

Tags

  • ICレコーダー
  • Moodle
  • MP3
  • WMA
  • YouTube
  • サウンド編集
  • スマートフォン
  • ラジオドラマ

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前回「ラジオドラマ制作(http://www.tjf.or.jp/meyasu/support/writer/matsuzakimahiru/post-19.php)」を行う韓国語授業をご紹介しました。学生の創作意欲が作品として結実するのが醍醐味なのですが、音声という「かたちのないもの」を取り扱って作品に仕立てるという少々工夫が必要な側面もあります。一見難しそうなのですが、ここでは私の授業で音声を取り扱う方法をご紹介したいと思います。

教室

教室は2014年度は一般の教室を利用しましたが、2015年度はPC教室を利用しました。一般教室でも実践可能ですが、PC教室を利用すると次の点で便利かと思います。

授業中にソフトウェアの操作を練習できる

 一般教室では、ソフトウェアだけを紹介し操作の練習は学生に任せましたが、PC教室を利用すると授業中にソフトウェアを扱ってみることができますのでサウンド編集に対する「とまどい」や「不安感」は減少するようでした。

授業時間を使ってサウンド編集などの作業ができる

一般教室では机と椅子しかないので、授業中の活動は議論や紙ベースの作業に制限されていました。PC教室の場合はサウンド編集をはじめとしたPCベースの作業も可能になります。

配付プリントの減少

一般教室を利用した際は、日々アップデートされる台本等を検討するために毎回大量の印刷物を持ち込んでいました。検討のための資料ですので、一度使用すると捨てることになるプリントを大量に生産していたことになります。PC教室を利用することで、ネット上にアップした資料を各自ダウンロードしてモニタで見ながら議論することが可能になりました。

このようにPC教室を利用すると便利ではあるのですが、一般教室でも実践は可能です。

システム

資料の共有や保管のために、大学が管理する学習管理システムMoodleを利用していました。利用システムはMoodleでなくてもかまわないのですが、同じ大学の他の授業でも使われていること、学生も教員も既にIDを持っていること、添付ファイルが108MBまで可能であること等の理由からMoodleを利用しています。

Moodleが提供されていない場合は、資料の共有や保管場所としての使用ですので、「サイボウズライブ」などのグループウェアでも大丈夫だと思います。私も以前は「サイボウズライブ」を使っていました。

機器

①PC

何はなくともPCは必須です。特に授業外での作業を課す場合は、学生の自宅にもPCがあったほうがよいです(メンバー全員が持っている必要はありません)。ノートパソコンがあると大学の外で学生が集まって作業をするときも作業がはかどるようです。

②録音機器(スマートフォン、ICレコーダー、マイク)

録音は簡単にできます。スマートフォンには録音アプリ(ボイスレコーダー)が入っていますので、それを活用するのがもっとも簡便な方法でしょう。その他ICレコーダーを使用する学生もいますし、PCにマイクをつないで録音する学生もいます。録音した音声はファイルとして取り扱いますので、音声ファイルで取り出せる形で録音する必要があります。学生がカセットテープを利用することはないでしょうが、ICレコーダーによっては機器内での再生しかできないもの(PCにつなげないもの)もあるようです。

ソフトウェア

2015年度の授業ではAudacityというサウンド編集ソフトウェアの使用を標準にしました。サウンド編集ソフトウェアはたくさんあるのですが、無料で高機能という評判だったこと、またPC教室のPCに既にインストールされていたため、2015年度はAudacityを使用することとしました。

授業では学生全員がサウンド編集の基本を身につけられるよう、1コマを使って簡単に使用法の紹介と練習を行いました。授業中に触れてみることで最初の一歩が踏み出せます。その後は教員よりずっと上手に使いこなすようになります。

なおAudacityには多くの利用者がいますので、分からないこともWebで検索すると解決できることが多いです。

注意点として、AudacityではWMA形式のファイルが取り扱えないという点が挙げられます。特にスマートフォンに標準で入っているボイスレコーダーアプリの場合WMA形式で録音するものが少なくありません。MP3形式で録音できるアプリを紹介しておくとよいかと思います。私の授業ではスーパーボイスレコーダーというアプリを紹介しました。PCでファイル形式を変換するより、最初からMP3などの形式で録音してしまうほうが効率的かと思います。

その他

ラジオドラマといってもイメージの沸かない学生も多いので、YouTubeなどを利用し日本や韓国のラジオドラマを紹介しました。韓国のラジオドラマであってもインターネットから簡単にアクセスできます。私が学生のころには韓国のラジオドラマを日本にいながら聴くのはほぼ不可能だったことを考えると、この時代だから可能な授業なのかもしれないと思います。

執筆者

松﨑真日(まつざき  まひる)

松﨑真日(まつざき まひる)

「外国語学習のめやす」マスター研修の修了者(2014)。参加当時、福岡大学講師。2015「めやす」マスター研修のカリキュラム作成委員・コーディネーター。

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