文化祭で中華模擬店を開こう
文化祭に中華料理の模擬店を出すことと中国語の授業を組み合わせたのがこの活動である。案内状作成、挨拶、接客、会計等に必要な中国語表現を授業で練習しておいて、近くに住む中国人を招待し、中国語で接待することを通して、コミュニケーション力の向上と文化理解、そして地域貢献につながる。
Category
- 言語
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- 中国語
- 対象
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- 中高生
- 活動タイプ
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- フィールドワーク
- 交流
- 実演発表
- アウトプット
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- メールや手紙
- レポートや作文
- 話題分野
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- 買い物
- 食
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単元目標
学校の文化祭の機会を利用して、中華料理の模擬店を開き、近くの団地に住む中国人を招待し、中国語で接待することを通して、買い物や食のテーマに関わるコミュニケーション表現を身に付け、自分たちの中国文化に対する理解を深めとともに、地域に住む中国人の日本の学校文化に対する理解を促進することにもつなげる。
インタビュー
このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。
その年の秋の文化祭で実践しようと思い作ったものです。実際には、中国語担当の先生が変わってしまったため、実践できませんでした。文化祭に中華料理の模擬店をだすことは、多くの高等学校ですでに行われています。これと中国語の授業を組み合わせるものなので実現可能性は高いと考えます。
どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。
このプランは、2010年高等学校韓国語中国語教師研修のワークショップで、今井佳子先生、黄宇曉先生、近藤千寿枝先生、中新井綾子先生と共に作成した学習シナリオが基になっています。このとき、メンバーの先生から、「中国語履修の生徒たちから、文化祭で中華料理の模擬店をやりたいという声があがっている。また、近隣に中国人居住地区があるので、関連づけた活動をしたい」という提案があったので、模擬店づくり、案内状作成、挨拶、接客、会計等を中国語でしてみようということになり作りました。
実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。
期待される生徒の反応
・中国語使用の有無に関わらず、他者とのコミュニケーションについて苦手意識を持つ生徒が多いが、この活動を成功させるために、緊張しながらも多くの方と交流できる。
・授業で習った中国語が、実際に通じる喜びを味わう。
・中国語を履修していない生徒に中国語を伝えること(販売の際のやりとり)で、自信が芽生える。
このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。
中国語学習1年目の生徒たちでも、ここまでやれるというプランを作りました。このプランは授業での学習成果が、学園祭で発揮できるところに大きな意味があります。外国語学習の意義は学習中は実感しにくいものですが、学園祭での模擬店は生徒たちが最も楽しめる活動のひとつで、その成功のためという学習動機を、日々実感できる点が、このプランは優れています。学習のめやすをとりいれると、レベル1の生徒でも興味に応じて話題を選ぶことができるところがよい点です。また、プランの到達点を最初に生徒に示すことができ、生徒も能動的に授業に参加することができます。
同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。
「つながる」活動を入れることによって、教師も生徒も「やってよかった」「面白かった」と思えるものができるので、「つながる」はひとつのポイントです。このプランで言うと、見学と仕入れをする中華料理店、近隣に住む中国の方たち、文化祭模擬店の中国人・日本人のお客さんたちとつながっています。
執筆者
実践当時は埼玉県立戸田翔陽高等学校ほかで中国語非常勤講師を務める。ことばの学びに文化理解の要素を積極的に取り込む。