公益財団法人国際文化フォーラム

公益財団法人国際文化フォーラム(TJF)は、多様な背景をもつ人びとや多様な価値の存在に寛容な社会をつくることをめざして事業を行ってきました。

誰かとなにかが違うことで、排除や差別や抑圧を受けて理不尽な境遇に追いやられたりすることなく、自分の可能性を試すことに安心して思考や感性を向けられる社会で自分たちは生きていきたい。そして、誰もがそう生きてほしいと望むからです。

一方、社会構造が大きく変わっていくただなかにあって、多様性の急速な拡大が格差の問題等と結びつき、軋轢(あつれき)や分断をうむきっかけとなることもあります。

TJFは、多様な価値のなかで生きていくことが人びとの人生の選択肢を増やし可能性を広げるような文化を醸成して、次の世代に渡していくことを財団の使命と考えています。そのための方法として、おもに中高生を中心とする若い人たちが多様なものの考えかたやありかたに触れる機会をプログラムとして提供しています。中高生を対象としているのは、大人の多くは自身の経験や人とのつながり、経済力等によって自ら機会をつくりだすことが可能だからです。財団としては、若い方たちにより多くの機会を提供する責任があると考えています。

まだ触れたことのない世界を知っていくことは、自分のなかに新しい考えかたやものの見かた、感じかた、表現方法、技術、行動の方法などが加わっていくことだと思います。また、「知る」ということは「自分の知らないことがある」ということを知っていくプロセスでもあります。「自分の知らないことがある」ということに自覚的であること。それが、異質なものと出会った時に、決めつけやレッテル貼りをためらわせ、いったん判断を保留して観察する、考えるという行動を促してくれるのではないか。わたしたちはそう考えています。


この講座の講師をつとめてくださるテンダーさんは、生態系を再生したり、お金や消費社会のインフラに依存せずに生きていくための技術や仕組みを研究し、他の人たちがアクセスしやすい形にして伝える活動をしています。

テンダーさんが探究してきたさまざまな技術や考えかたを体験しながら知り、身につけていくことは、この先社会がどう変化していったとしても中高生のみなさんの人生の選択肢のひとつとなり、自ら人生を切り拓いていく際の知恵や自信となるものだと考え、今回の企画をお願いしました。

テンダーさんは、また、相手が子どもであろうと大人であろうと、対等な関係をきづく人でもあります。2019年に講師をお願いしたワークショップは、その場にいる一人ひとりが主体であり、自分で考え試すことが十分に保証されていました。

権威をもった誰かに従ったり、周りへの同調を強いられたりすることのない自由な学びの場は、一人ずつが多様な存在でいられる場でもあります。その感覚を中高生のみなさんにぜひ味わっていただきたいと思っています。

今回は、大学生以上の参加枠も設けています。プログラムの趣旨に賛同してくださる大人のみなさんもご参加ください。


本講座の運営について

TJFは公益財団法人であり、事業は基本的に出捐(しゅつえん)企業と賛助会員の寄付金によって運営されています。寄付金は、多様な価値に寛容でさまざまな選択肢のある社会を若い人たちに渡していくという活動趣旨に賛同した方たちからTJFに託されたお金です。

この講座も運営のほとんどが寄付金によって成り立っているため、中高生・大学生の参加費を低くおさえることが可能になっています。

大人の参加費は基本的に材料・道具費程度としていますが、講座によっては中高生の材料費等のサポートをお願いする金額設定とさせていただく場合があります。

金銭的な困難のある方のご参加について

日本では、17歳以下の子どもたちの7人に1人が貧困(相対的貧困)である状態が続いています。もし、この講座に興味をもっても参加費や材料・道具費、受配信環境をととのえる費用を捻出できずに参加をあきらめる中高生がいるとしたら、それはわたしたちの本意ではありません。ご希望があれば、ご本人と相談しながら参加に必要な金銭的サポートをいたします。ぜひ、「講座概要」の「金銭的な困難のある方へ」をお読みください。