グローバルイシューを通してことばの力を考える
2012.10.10
福島へ、という詩を読むことで、グローバルイシューとしての観点から今の福島の状況をしり、そこをふるさととする人たちの心に近づく。大きすぎて遠くに感じてしまいがちなグローバルイシューを、個人一人ひとりに近い問題なのだと感じ、それを自分の問題として捉えることをめざす。
グローバルイシューを自分の問題として考える過程で、「ことばの力」に気づく。
目 標 | • グローバルイシューについて資料を調べ、ブレインストーミングすることで、自分達の環境に目を向ける。 |
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対 象 | 継承語としての日本語を学ぶ12年生の生徒 |
日本語レベル | バイリンガル |
準備するもの
- グローバルイシューの基礎知識
http://www003.upp.so-net.ne.jp/hanachanhp/globalissues.html - 生徒が各自選んでリサーチしたグローバルイシューのパワーポイント
- 人権宣言のハンドアウト(日英)
- 写真集Where children sleep(By James Mollison) とウェブサイトhttp://www.jamesmollison.com/wherechildrensleep.php
- くりっくにっぽん
https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/02/post-3.php - アボリジニーのミラール族のイボンヌマルガルーラさんの国連総長への手紙
http://indymedia.org.au/2011/04/16/yvonne-margarulas-letter-to-the-un-expressing-solidarity-with-the-people-of-fukushima - 日豪プレスから「シリーズ・原発問題を考える
http://nichigopress.jp/interview/%e3%80%90%e3%83%ab%e3%83%9d%e3%80%91%e5%8e%9f%e7%99%ba%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b/48064/
手順
1. グローバルイシューの基礎知識 http://www003.upp.so-net.ne.jp/hanachanhp/globalissues.html を見て、(またはこのサイトを参考に作成したハンドアウトで)ブレインストームをする:どんなグローバルイシューあるのか、自分が一番気になる問題は何か、自分の選んだ問題をリサーチしてパワーポイントにまとめ、クラスでプレゼンする。
2. 人権について考える。The Universal Declaration of Human Rights を英語と日本語で読む。
3. 世界のいろいろな状況で暮らす子どもたちの寝ているところの写真をまとめた写真集Where children sleep (By James Mollison) http://www.jamesmollison.com/wherechildrensleep.php を見る。
4. 写真集のなかで、どの子どもの写真が印象に残っているか、それはなぜか、さらに子どもたちの人権は守られているかを考え、グループでディスカッションする。
5. 写真集の中から一人の子どもを選び、その子どものおかれた状況、なぜそのような状況にあるのか、どんなグローバルイシューが影響しているのかなどについてレポートを書く。
6. 世界の子どもの人権に関連して、福島の子どもたちの状況を見てみる。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowerplant_a_yearafter/33416.html
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/40750.html
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowerplant_a_yearafter/33472.html
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2724.html
上記のウェブからの情報も基に、現在の福島の状況を教師がナレーションで伝える。生徒はメモをとる。
7. こういう状況の福島であるが、私たちの住むオーストラリアと福島にはどんな関係があるかについて知る。原発の抱える問題と、福島の人々とアボリジニーの人たちの関係、オーストラリアの鉱山開発の問題、などを学習。
アボリジニーのミラール族のシニアであり代表者のイボンヌマルガルーラさんの国連総長への手紙を読む。そして、内容を日本人の友だちがわかるように日本語でまとめを書く。
http://indymedia.org.au/2011/04/16/yvonne-margarulas-letter-to-the-un-expressing-solidarity-with-the-people-of-fukushima
8. 日豪プレスから「シリーズ・原発問題を考える」を読む。
http://nichigopress.jp/interview/%e3%80%90%e3%83%ab%e3%83%9d%e3%80%91%e5%8e%9f%e7%99%ba%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88%e3%82%8b/48064/
9. くりっくにっぽんのサイト https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/02/post-3.php から、良太くんの詩「福島へ」だけを取り出し、まず読む。そして書いた人はどんな人だろう、どんな気持ちが現れているだろう、いくつも質問しているのはなぜか、などクラスでディスカッションをする。
10. 詩について、そして詩を鑑賞する方法などを学習する。資料: 詩の魅力と読み方を教える授業 愛知教育大 佐藤洋一
11. くりっくにっぽんのサイト https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/02/post-3.php から、良太くんの詩の朗読を聞く。自分が読んだときとどう印象が違うか、など話し合う。
12. さらに詩に親しむため、他の詩を鑑賞する。教師の選んだもの2、3編と、生徒が持ち寄った「自分の好きな詩」をクラスで朗読。(良太くんの朗読がお手本となる)
13. 友だちの選んだ詩の中で、自分もいいな、と思うものに、それぞれポストイットに好きな理由を書いてその詩に貼り付ける。選んだ生徒は、他の生徒のコメントを見て、自分とは違う鑑賞の仕方に気づく。
14. 生徒が自分の気持ちを詩にあらわしてみる。書いたことがない生徒には、書いたことのある人はどうやって書き始めるか、アドバイスをあげる。 テーマは「まもりたいもの」で、いくつかいてもいいし、俳句(川柳)でも、短歌でも、フリースタイルの詩でも、ラップでも、歌詞でもなんでもOKとする。
15. 全員が自分の詩を好きな色の紙に好きな色のペンで書く。
16. それをスキャンしたパワーポイントと、朗読で発表する。
17. まとめのディスカッションとして、ことばの力を考える。「言葉とは何か」 「どんな時に言葉の力を感じるか」 「どんなふうに言葉の力を使えるか、使いたいか」をグループで話し合う。
18. グループごとに話し合ったことをA3の紙に書いてクラスで発表する。