くりっくにっぽん活用術


地球の幸せを考える

執筆:西村パーク葉子

話題/目標:グローバルな課題を理解する、他教科とつながる、地域・世界とのつながりを認識する、地域社会と世界、教室の外とつながる、気持ちや考えを伝えあう、社会のために行動する、自分と身近な人々、自然環境

2021.02

子供地球基金のチャリティー活動「ウフフ! チャリティーTシャツをつくろう!」をヒントに、オノマトペについて知ったり、地球や自分にとって大事なものを考え、それをT-シャツのデザインとして表現したりする。さらに世界の子供達のおかれている多様な状況を紹介する写真集を使った発展活動を通してグローバルな、かつ倫理的な視点を養う。

目 標

・日本語のオノマトペについて知る。
・自分の言葉のオノマトペを比較する。
・自分達の、そして世界・地球の幸せとは何か考える。そして、その幸せを絵に描いて表現し、かんたんな説明を書く。
・Where Children Sleep という写真集を使って、世界の子供達を取り巻く社会環境の多様性や不平等を考え、その問題についてリサーチし、自分達に何ができるか考える。

対 象 小学生・中学生・高校生レベル
日本語レベル 初級から上級レベル
準備するもの

手順

ウフフ!チャリティーTシャツをつくろう!
「ウフフ!Tシャツ」をデザインする前に、Part1では「ウフフ」はどんな笑いなのかを考え、ほかの笑い方のオノマトペを導入します。
Part1の後、Part2のTシャツをデザインする活動にいくのもいいですし、Part1のあとPart3のオノマトペを使った活動(ワークシート参照)を行うのもいいです。

[Part 1] ウフフってどんな笑い方かな?

  • 「ウフフ」と笑ってみてください。どんな笑いでしょうか。
    ペアになって、「あなたのウフフ」を紹介し合っってください。
    また、グループで、ウフフの表現の仕方を決めて、みんなの前で発表しましょう。
  • このような笑いをあなたの言葉では、どのように表現しますか。
  • ウフフをタイプすると、こんな絵文字がでてきます: (*´艸`*) (´∀`*)ウフフ
  • ウフフと笑うときの感情はどんな感じでしょうか。
  • 日本語には、笑いを表す言葉(オノマトペ)がたくさんあります。たとえば;
    アハハ  ha ha ha
    エへへ  he he he 
    ウフフ  a gentle laugh to express joy, often with something secretive in mind
    ギャハハ a loud, bursting laugh
    ゲラゲラ to laugh out loud (a guffaw)
    ニコニコ smiling
Note Note
Part 3のワークシートにオノマトペのアクティビティーがあります。


[Part 2] 
世界の人たちの幸せを願って「ウフフ!」となるようなデザインを考えよう

Step 1 どんなことが、世界の人たちの幸せとつながるでしょうか。明るい未来の地球はどんなところでしょうか。ブレインストーミングをしましょう。

Note Note
ブレインストーミングのディスカッションの中で、色々な環境問題や、社会問題がでてくるかもしれません。地球レベルの問題でも、一人ひとりの小さな行動が、より良い世界に繋がる第一歩です。生徒たち自身に何ができるか考えてもらってください。

例:

  • みんなが仲良く暮らせる社会(さべつやいじめがありません。etc)
  • 平和な社会 (せんそうがありません。etc)
  • 公害のないきれいな環境、美しい自然と共存できる社会 (木をうえます。ポイ捨てをしません。etc)
  • 動物保護が行き届いた社会 (すてねこや、すていぬがいません。やまやもりのどうぶつをたいせつにします。etc)
  • 資源を大切にする社会 (だれも、もったいないことをしません。etc)

Step 2 自分のテーマを決めて、デザインを考えましょう。そして画用紙などA4の紙に色鉛筆、カラーペン、水彩絵の具などで、描いてみましょう。

Step 3 ノートに、デザインタイトルと、絵に込めたメッセージを書きましょう。

Note Note
日本語で書けるレベルでは、日本語で書くことに挑戦するのもいいでしょう。「ヒントになることば」はハンドアウトを参照してください。

Step 4 描いた絵、デザインタイトル、絵に込めたメッセージをクラスで発表しましょう。無地のTシャツを着て、絵を胸に当てて発表すると、Tシャツのデザインに見えますね。

Note Note
https://www.kidsearthfund.jp/ のKIDS ART GALLERY で、世界の子どもたちが描いたいろいろな絵のサンプルが見られます。参考にしてください


[Part 3] オノマトペのアクティビティー


[Part 4] 写真集Where Children Sleepを使った発展問題(Enrichment/Extension work)
写真家James Mollisonの写真集『Where Children Sleep』 を使った活動です。世界の子供達がどんなところで眠っているかを写真と簡潔な文で紹介しています。ベッドのある部屋で眠れる子供達ばかりではありません。この写真集を使って、世界の子供達を取り巻く社会環境の多様性、不平等、そして人権を考える機会を持ってみるのはいかがでしょうか。一つの国の中にも、色々な環境があり、貧富の差があり、不公平があります。国のステレオタイプに陥ることなく、この不平等はどこから来るのか、子供達の人権を守る為に、私たちに何ができるのかを生徒たちと一緒に考える機会となれば幸いです。

このサイトに抜粋された21枚の写真と各子供達の要略が掲載されています。
https://www.mic.com/articles/75173/21-images-of-where-children-sleep-around-the-world-paints-a-powerful-picture-of-inequality

このサイトには抜粋された12枚の写真と各子供達の少し詳しい要略が掲載されています。
https://www.motherjones.com/media/2012/11/kids-bedrooms-james-mollison/ 

上記のサイトを使うと、スクリーンに映し出してクラスみんなで写真を見るためには便利です。しかし各子供達の紹介文は、出版されている写真集の方により詳しくされているので、授業で使うためには、実際の写真集がより効果的です。またこの授業の為だけでなく、学校の図書館の蔵書としてもお勧めします。
出版されている写真集の情報はこちら
https://www.worldofbooks.com/en-au/books/james-mollison/where-children-sleep/9781905712168?gclid=CjwKCAiAjeSABhAPEiwAqfxURW6xKF-oq-qopAHJGorpJIpF0Au78sypbaanN9LVGlfogCyJSnhkwRoCQ7sQAvD_BwE#GOR003648320 


アクティビティーA
子供達の写真を一枚ずつ、見てみましょう。次の質問に日本語でこたえましょう。

  • お名前は何と言いますか。
  • 何才ですか。
  • どこに住んでいますか
  • その子の部屋・空間に何がありますか。
  • ほかにどんなことがわかりましたか。


アクティビティーB
1) 一番印象に残ったのは、どの写真ですか。どうしてですか。グループで話し合ってください。
2) その子供がどうしてそのような生活を強いられているのか、その問題をリサーチしましょう。
3) リサーチでわかったことをポスター、またはファクトシートにまとめてください。それをクラスに展示しましょう。どんな問題が見えてきますか。世界にどんな問題が存在するのか、自分の住む国はその問題にどのように関与しているのか、自分達にできることは何か、などを話し合いましょう。


アクティビティーC
1) アクティビティーBで選んだ子供の一日を想像して、その子供の立場で日記を書きましょう。どんなことが起こりましたか。何が必要だと思ったでしょう?(できれば日本語で書いてみましょう。)
2) その子供は、どんな世界に住みたいと思っているでしょうか。その世界を絵に描いてみてください。そして、その短い説明を書いてください。(このアクティビティーはPart 2のTシャツのデザインにも繋がっています)
3) そのような世界を実現するために、私たちはどんなことができるでしょうか。グループで話し合ってください。


アクティビティーD
たくさんのモノに囲まれた、「豊かな」生活をしているように見える子供達は、幸せだと思いますか。本当の幸せとは、たくさんのモノに恵まれていることでしょうか。本当の幸せとはどんなことだと思いますか。

Where Children Sleepに関するサイト
https://www.jamesmollison.com/wcs-exhibitions
https://www.jamesmollison.com/wherechildrensleep.php


国際文化フォーラム
(c)The Japan Forum