オーストラリアで売れる「なんちゃって制服」をつくろう!
2013.11
日本の制服に表れる価値観と文化を考察し、制服を着る側と着せる側の両方から制服の役割や効果を考える。日本の制服カルチャーと、オーストラリアのそれとを比べながら、「なんちゃって制服」の流行の原因となっている日本の高校生の制服をファッションとして捉える考え方にせまる。
目 標 | • 制服が与える印象や制服の役割、メリットなどを話し合う。 |
---|---|
対 象 | 継承語としての日本語を学ぶ12年生の生徒 |
日本語レベル | バイリンガル |
準備するもの
- くりっくにっぽん
https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/01/post-2.php - 上記の記事から作ったハンドアウト
- 記事の内容に関する質問のハンドアウト
- 制服が登場するアニメの数々と、制服を着たりかちゃん人形などの日本人の制服へのこだわりが表れているイメージなどをまとめたパワーポイント
- グループディスカッションの内容をメモするためのA3判の紙
- 相浦さんと女子高生の役のための小道具―背広、ファッションウィグ、サングラスなど
手順
1. 制服についてブレインストームをする
- どんな職種の人たちが制服を着ていますか。
- 日本とオーストラリアを比べると、どっちが制服が多い?
- 先生たちが制服を着ていたら、感じが違う?自由な服装とどう印象が違う?
2. グループにわかれてディスカッションする
- どうして制服があるのか。
- メリットは何か。
- グループで出た意見をA3判の紙に書く。
3. グループの意見をクラス全体に発表する
4. クラスディスカッション(1) 制服を着ることについて
制服を着る側に立って、次の点についてディスカッションする。
- 自分の学校に制服があるか。
- 好きか。メリットは何?デメリットは何?
- 制服を着ることによってどんな意識が生まれるか。
- 制服に関連した校則はどんなものがあるか
- 制服を着ているときも個性を主張したいと思うか。どんな方法があるか。
- 制服=かわいいと思うか。オーストラリアの制服と日本の制服は違う?
5. クラスディスカッション(2) 日本の制服とオーストラリアの制服の違い
その日は全員制服を着て、クラスに来てもらう。(このクラスの生徒は全員違う高校に通っていて、平常この授業には私服で来る)
そして、ファッションショーのように、一人ずつ制服を見せながら、いいところ、悪いところを説明する。
その後、日本の制服とオーストラリアの制服についてディスカッションする。
6. アニメでかわいく描かれている制服や制服を着たりかちゃん人形などの画像をパワーポイントで見せる
Note: 生徒は、日本の制服とオーストラリアの制服の違いのひとつとして、日本の制服はメディアによく登場することを挙げていた。
7. なんちゃって制服というのを、聞いたこと、見たことがあるか、と質問して、なんちゃって制服のことを導入
Note:この生徒たちは日本によく行っているので、原宿で見たという生徒もいた)
8. くりっくにっぽんのサイトを見せて、なんちゃって制服のおおまかな説明をする
https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/mywayyourway/01/post-2.php
9. くりっくにっぽんから作成したハンドアウトから記事を読む
かなり長い読み物なので各グループに責任を持つパラグラフを与えて、生徒同士 積極的に学びあい、教えあう機会を作る。
10. 記事の内容に関する質問のハンドアウトで内容を把握を助ける
Question 1
なんちゃって制服ができる前の制服に対する二人の考えの違いを説明してください。
- 相浦さん
- 店に来た女子高生
Question 2
なんちゃって制服をきる人たちはどんな理由で着ていますか。
Question 3
「制服ということで数千人と集まってくるんです」(46・47・48行目)どうしてだと思いますか。
Question 4
もっともっと日本からファッションの情報を発信しなくてはいけないと言っているが どうして?日本のファッションはユニーク?
Question 5
CONOMiは今後、どのような目標を持っていますか。その目標をどうしたら実現できるでしょうか。
11. 記事から学んだ内容を反映したクリエイティブタスク 1
ペアになって、次の状況でのインタビュー例をつくる
- 相浦さんがファッション雑誌のインタビューを受けるとします。トピックは「CONOMiのこだわりと今後の展開について」です。
- できたものはクラスで発表する。
12. 記事から学んだ内容を反映したクリエイティブタスク 2
一人ひとり、「なんちゃって制服」はオーストラリアでも売れるかどうか、また売れるとすれば、どんなデザインのものが売れるか考える。自分が考えた制服をイラストに描き、なぜそれが売れるのか理由も書く。イラストはスキャンし、スクリーンに映し出してみんなに見せながら、一人ずつ発表する。
13. 記事から学んだ内容を反映したクリエイティブタスク 3
ペアになって、相浦さんと、制服が着たいと言って店に来た女子高校生の会話を作る。
まず、会話を書かせて、教師が文法や表記をチェックする。
その会話を何度か練習させて、クラスの前で演じる。(雰囲気を出すために、かつらやサングラス、背広などを使用する)
発表はビデオに収録する。