中高生に隣語を学び始めた動機を聞くと、「親が好きだったから」「親に勧められたから」という回答をよく聞きます。より多くの中高生に隣語を学んでもらうために、保護者にも働きかけて、さまざまな言語と文化にふれてもらう場をつくりました。
「誕生日に食べるものは何でしょう?」など講師から出されたクイズの答えをグループで相談。計10 問のクイズが出されるたびに盛り上がった。
ことばや文化にふれること
小出麻紀
東京都立杉並総合高等学校PTA会長
杉並総合高校には国際交流関係の行事がたくさんあり、PTAとしてできるだけの協力をしています。若林校長からもいろいろとアイディアが出てきます。国際文化フォーラムと東京都総合学科教育研究会の共催で始まった「世界のことばと文化を知ろう」シリーズもそのひとつです。メディアを通して知るだけでなく、実際にことばや文化にふれてみようというものです。こうした機会をつくることはとても重要です。
私自身、こんな体験をしたことがあります。子どもが幼いときに通っていた体操教室に、韓国のお子さんが入ってきました。お母さんは電子辞書を片手に積極的にコミュニケーションをとってきて、それがきっかけで家族ぐるみの付き合いになりました。そのお母さんの故郷である済州島を訪ねたときには、親戚の方たちからも歓待をうけました。それまで何となくもっていた韓国へのイメージは大きく変わったのです。
今回の講座は、ただ一方的に聴くだけでなく、保護者、生徒、先生が同じテーブルで、隣国のことばを学ぶ意味やこれからのことなどについて自由に意見交換をしました。ほかのPTA役員たちからも、参加型がよかった、また同じようなことがあったら参加したいという声があがりました。
いま、PTA ではサークル活動をいくつか進めています。今回の講座をきっかけに今後、韓国語や中国語を学ぶサークルができたらいいなと思うようになりました。
参加した親子の声
- 私はメーカーに勤めているのですが、アジアはとても大事な地域です。しかし、子どもがアジアのことにふれたり、考えたりする機会があまりありません。この講座は、子どもがアジアについて知るいいきっかけになったと思います。
- 親の勧めでこの講座に参加しました。今まで知らなかったことばや文化について知ることができて楽しいです。
事業データ
世界の言語と文化を知ろう! 第1回:世界の韓流と日本の韓流―韓国を知ろう!
2015年6月20日(土)
東京都立杉並総合高等学校
東京都高等学校総合学科教育研究会
TJF
東京韓国教育院、東京都立杉並総合高等学校PTA
阪堂千津子(東京外国語大学非常勤講師)
58名(高校生、保護者、教員)
※事業報告書『CoReCa2015-2016』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。