2015年11月7日、国際交流基金マニラ日本文化センターと共催で、中等の日本語教師を対象に一日のセミナー「-A Seminar-Workshop on Utilizing ICT and Authentic Resources for Nihongo Classes」を実施し、22名の参加がありました。
同センターの日本語教育プログラムコーディネーターのフローリーさんが、生教材・ウェブリソースを使って教えることの意味をアメリカやオーストラリアの外国語教育の目標を交えながら講義した後、グループにわかれて、生教材を使って日本語を教えることのよい点と悪い点について話し合いました。その後、参加者は「くりっくにっぽん」のMy Way Your Wayコーナーの記事「ストリート発Kendama!」を使った活動を体験しました。
「くりっくにっぽん」の説明では、千葉がほかの日本紹介サイトと比較しながら、「くりっくにっぽん」の特長について話すと同時に、動画などを見せながら、何人かのストーリーを紹介しました。「くりっくにっぽん」では、人を通して文化を見ること、一人ひとりの文化を見ること、たくさんの人の文化を見ることを心がけている、と話すと多くの人が大きくうなずいていました。
午後は6グループにわかれ、「くりっくにっぽん」のコンテンツを使った授業案を作成しました。参加した先生方はそれまでの研修やセミナーでも、21世紀型スキルの育成を図るための日本語の授業づくりを体験したことがあるだけに、今回の授業案の目標にも「批判的に考える」「自文化を振り返り・比較する」などが自然と入っていました。
使われたコンテンツは、「キャラ弁」「妖怪」「花見」などでした。「キャラ弁」は、3つのグループで使われるなど、4月にオーストラリア・メルボルンで実施したときと同様、いちばんの人気でした。
各グループの発表では、「妖怪」を使ったグループでは一人が「妖怪」を演じたり、ほかのグループでも踊りを入れたりととても楽しいものでした。
フィリピンの公立高校で選択科目として日本語教育が始まったのは2009年のことで、日本語教師のバックグラウンドは国語や英語だったり社会科だったりとさまざまです。バックグラウンドの違う先生といっしょに授業案をつくることで自分とは異なる視点を知ることができて刺激になったようです。
また、「くりっくにっぽん」については、「生徒にだけでなく自分も新しいトピックを知るのに役立つ」「実在の人びとのさまざまな視点から日本文化を見るという新しい方法を知った」という感想が挙がりました。さらに、自分たちが短期の訪日研修で見聞きしたことだけで日本文化を一般化してはいけないという意見も出ました。