公益財団法人国際文化フォーラム

くりっくにっぽん報告

Click Nippon News読者アンケートを実施しました

Click Nippon News、略してCNN、おもに英語圏の日本語の先生向けに無料で月に1回配信しているメルマガです。「くりっくにっぽん」や「ときめき取材記」サイトのコンテンツを活用した初中等向け学習活動案を紹介しています。メルマガでは毎号、「くりっくにっぽん」「ときめき取材記」から記事を1本取り上げ、ディスカッションポイントを提示したり、その記事をもとに表現活動のヒントを紹介したり、もともとの記事を中高生向けに平易な文法で短くリライトしたものを素材として提供することもあります。

おもに高校生向けの学習活動案を紹介していますが、年に1回程度、小学生向けの活動も紹介しています。中等向けの学習活動案を作成しているのは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ教育省で日本語教育サポートに長年携わり、教科書『Mirai』や『iiTomo』作成にも関わった西村パーク葉子さん、初等向けは『iiTomo』に携わり、CLILのワークショップを各地で行っているJunko Nicholsさんです。

2015年12月に配信を開始し、現在CNNの読者は約830人。創刊から3年が経ち、CNNを読んでいる先生方の所属は初等中等どれぐらいの割合なのか、どのコーナーを活用しているのか、メルマガのどんなところにメリットを感じているのか、どう役立てているのかなどについて調査し、CNNの内容を充実させたいと考え、今年4月にウェブ上でアンケート調査を実施しました。オーストラリア、カタール、カンボジア、台湾、ニュージーランド、米国などさまざまな地域から105件の回答がありました。

先生方の所属は、小学校30%、中学校45%、高校77%、大学4%、継承日本語4%、教師歴は10年以上の方が87%でした。
CNNでどのように役に立っているかとの問いに対しては次の回答がありました。

CNNでは学習活動案を紹介することを通じて、レアリアの使い方やさまざまな文化理解の視点を知ってもらうことをねらいとしています。CNNはおもに中高校の先生を対象としているので、小学校の先生を除いて考えると概ね目標は達成できているといえます。

先生がCNNから得ている情報と要望

人にフォーカスし、いろいろなテーマを取り上げている「くりっくにっぽん」「ときめき取材記」を使った学習活動は、「さまざまなコンテンツがあるのでいろいろなタイプの生徒の対応できるし、授業のディスカッションも深まる」「いま話題になっていることがらは生徒の関心をひく」ものになっているほか、「一人でやっていると同じような内容や活動に偏りがちだが、こんな面白い活動があるんだという発見ができていい」「授業を考えたり、私の授業を改良してくれるのにとても役立っている」という感想があがりました。

また、「小学校の教師なので(授業では使えないが)、CNNは日本の知識と教え方を豊かにしてもらっている」「現在高校で教えていないが、私自身が日本の文化やことばを学ぶのにとても役に立っている」のように、すぐに活用できなくても、学習活動の背景にある考え方や、教師自身の知識獲得にも役立ててもらっていることがわかりました。

その一方で、「私のクラスの生徒の日本語レベルは高くないのでCNNは使えない」「授業に取り入れる十分な時間がない」という声もありました。
さらには、今後は「時事問題、社会問題」や「10代に関連する話題」「方言とその地域の文化とのつながり」取り上げてほしい、初級学習者向けや小学生向けの活動、動画も紹介してほしいとの要望が多く見られました。

アンケート結果を踏まえて

これまで通りさまざまな文化理解の視点を考慮した活動を紹介することを土台にしながら、次のような内容にしていく予定です。

  • 年に3回程度、小学生向けの活動を紹介し、その1回は動画を活用したものにする。
  • 教室で使えるように記事を高校生用に短くリライトしているが、中学生向けのものも提供する。
  • 今回アンケートに答えてくれた先生のなかから数人にモニターになってもらう。フィードバックをもらうことで、深い学習活動につながるようにする。

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https://www.tjf.or.jp/clicknippon/ja/newsletter.php

(事業担当:千葉美由紀)

メルマガ「Click Nippon News」配信

配信日

毎月第3木曜日

対象

初中等の日本語教師

読者

約830名