公益財団法人国際文化フォーラム

学びの探究とデザイン報告

先生もチャレンジャー

2013年度から當作靖彦・カリフォルニア大学サンディエゴ校教授を講師に迎えてレクチャーやワークショップを行った。グローバル化、情報化が進む社会で何が起きているか、その影響で教育がどのように変化しているのかを豊富な事例をもとに解き明かし、小中高校生に必要な資質や能力を示して、これを育てるための具体的な教育方法を紹介した。2013 年度は高度の思考力を養う読解活動、2014年度から2016年度は主体性や思考力、表現力、課題解決力などを引き出す評価方法に焦点をあてた。4年間で大阪、沖縄、北海道、東京、福岡を会場に15回の研修を開催し、延べ1,200人以上の教師が参加した。特に、「評価」は教育現場の関心が高く、同内容の研修を當作教授に依頼する教育委員会も現れた。

2015年度からは、稲垣忠・東北学院大学准教授によるプロジェクト学習のワークショップを開始した。主体性や協働力を発揮させる学習方法として教師の関心が高いため、具体的な方法を学ぶ機会をつくった。「インタビュー」「観察・実験」「プレゼンテーション」など21枚の学習活動カードを使って、「情報の収集・編集・発信」の3つのステップを組み立てていくと、1日でプロジェクト学習の活動案を作成できる。すぐに実践に役立てられると参加者の満足度が高かった。

参加者の声

  • プロジェクト学習は授業計画をつくるのに時間がかかるので避けていたが、1日でここまで設計できることがわかった。
  • 今の教育の流れの背景にどういうことがあるのかよくわかった。グローバル化が進む社会で何が起きているのか生徒に説明できる具体的なことばをもてた。

※30周年記念誌『Tracks』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。