公益財団法人国際文化フォーラム

日韓の校長交流報告

校長の出番

「自分たちの学校と交流してくれる学校を探しています。紹介してもらえませんか」中国や韓国の中高校で日本語を教えている先生からよく言われる。
要望にすぐに応えたいのだが、学校間での交流となると時間がかかる。そこで互いの言語を教える先生を紹介して、クラス交流を進めてきたこともあった。しかし、先生が異動すると途切れてしまったり、教師一人に負担が集中して長続きしない例を多くみてきた。学校間交流であれば、学校行事として組み込まれ、予算も確保され、担当の先生が異動しても交流は続く。
どうすれば学校間交流としてスタートが切れるのか。その鍵を握るのは校長だ。そこで、校長に互いの言語の教育と交流の必要性を認識してもらおうと2009年に日中校長交流プログラムを開始し、日本の校長を中国に派遣してきた。

2014年11月、今度は中国の校長・副校長を招聘し、日本の高校の校長・副校長と交流する場「りんごの交流会」を設けた。参加したメンバーには、友好校交流の交渉を進めていた横浜市立みなと総合高等学校の宮崎健校長と上海工商外国語学校の陳文珊副校長がいた。「海外の学校と交流するには、トップが強い信念をもつことが必要。事前に校長同士で、お互いの意思を確認していたこともあり、今回は英語で直接やりとりができたので話が早くまとまった」と宮崎氏は語る。2校は2015年5月に正式に友好校提携を結んだ。
2015年度は日中だけでなく日韓の校長交流をソウルで行う。参加する校長の一人は「私と同じような考えの校長がいたら、その学校と交流したい」と言う。また新たな学校間交流が始まるにちがいない。

 

提携に関する合意書を持つ宮崎校長

隣語教育に取り組む学校(日本、韓国、中国)

姉妹校提携をしている高校の国・地域

事業データ

隣語教育に取り組む日中の高校校長交流プログラム

期間

2014年11月19日(水)~24日(月)

場所

東京、神奈川

主催

中等日本語課程設置校工作研究会、TJF

助成

公益財団法人東華教育文化交流財団、公益財団法人三菱UFJ 国際財団

輸送協力

ANA

参加者

中国で日本語教育を実施する高校の管理職等17名、22日の交流会には日本で中国語教育を実施する高校の管理職、大学の中国語教育関係者、日中交流団体関係者等18名が参加した。

※事業報告書『CoReCa2014-2015』に掲載。所属・肩書きは事業実施時のもの。