公益財団法人国際文化フォーラム

学校のソトでうでだめし募集

テンダーさんの「その辺のもので生きる」オンライン講座、はじまるよ!

テンダーさんからのメッセージ

みんなは、学校を卒業したり辞めたりしたあとは、どうする予定だろうか。
高校や大学や海外留学や、要は他の学校に行くのだろうか。

今か遠い未来かの違いはあるにせよ、いずれ学校を終えるのは間違いない。
さて、その次はどうするのだろう?

就職したり、アルバイトしたり、起業したりする予定だろうか。

なんにせよ、ほとんど全員と言ってもいいほどの大多数が心身を病んででも、それぞれのやり方で「誰かからお金をもらう方法」を身につけようと頑張っているのが現代だと僕は思う。

ところが僕は大人になったとき、そういうことにあまり興味が持てなかった。
「どうやってお金を稼ぐか」を身につけるよりも、「お金で買う予定のものをどうやって作れるようになるか」の方が、僕にとっては面白くて、意味があったんだ。


それからずいぶん時間が経って、僕は今37歳。
壊れたプリンターから風力発電機を作ったり、分厚い板を自由に切れる巨大なレーザーカッターを作ったり、落ちている木の棒で火を起こしたり、魚を銛で突いて食べられるようになった。

たくさんのものを修理し、廃棄物から機械や道具を作っていく中でわかったことが、ひとつある。

日本に住むほとんどの人が気づいていないこの秘密を、今日、君に教えてあげよう。

「自分で作れるものは、買う必要がない。だからお金がいらない」

さあ、君は信じられるだろうか。

自分の暮らしを形作る大半の道具を作ったり直したりできるようになった時、もはやお金がもつ強制力はあまりない。

お金を得るための技術を身につけるよりも、技術が自分自身を養ってくれることを、僕は君に知ってほしい

僕が言っていることは、何も遠い世界の話ではない。数万年におよぶ人類史の99%以上は、僕の言っている話と同じように、自分たちで工夫し、作り、使い、上達し、繋いできたのだろうから。


アルミゴミを溶かして作った金型に、プラゴミを溶かして流し込んで作った洗濯バサミ。アルミの金型は買うと一つ50万円もする

これから一年間、僕ができるようになったことの要点を、君におすそ分けしようと思う。中でも僕が好きなのは、他の人が捨てた廃棄物から何か素晴らしいものを作ることだ。

(そして、不思議なことに) そういうことができるようになると、お金を払ってでも君に頼みたい、という依頼がやってくる。つまり世の中には、

「お金を稼ぐための技術」
と、
「自分自身を養い、暮らしを作ることができるうえに、ついでにお金まで稼げちゃう技術」

二つがあるってこと。
(誰もそんなことを君に教えてくれなかったと思う)

今回は、国際文化フォーラムの企画で、参加費は材料実費程度の格安講座。

ぜひこの機会に「オルタナティブ=主流ではないもの」にどっぷり浸かってほしい。
なぜなら、次の波に乗るためには、今盛り上がっている(ように見える)波を横目に見過ごす必要があるからだ。

そう、オルタナティブ
いい機会だから、オルタナティブについても、少し話をしよう。


今の世の中は、ひとりひとりが暮らしの全て(=生きる技術)をこなせなくても、みんなで集まってそれぞれが得意分野を担えばそれでいいじゃない(その代わりお金で頼んだり頼まれたりしよう)、という考え方を信じることで成り立っている。

この一年で僕が君に伝えたいのは、それとは真逆の、
「お金があってもなくても、自分でなんでもできるようになっていくための力」
なんだ。

なぜなら、僕は「生きる」ということは「日々、自分のことを自分で解決すること」だと思っているから。

僕たちの体と脳は、数万年この作業を繰り返していて、それをするために発達してきているはずで、ゆえに自分で解決することをここ数十年の「現代」でいきなりやめてしまったら、何のために生きているのかわからなくなるのも当然だと僕は思う。

そして僕たちは、「主流こそ正しい」と考えがちな脳を持っている。これは群れで生きてきた人間が、群れで生き残るために獲得した本能といえる部分なのだけど、現代では広告やメディア、教育の力を合わせることで主流を誰かの意向に沿うものに変えることができてしまうので、もはやリスクを伴う本能となってしまった。

だから意識的に、オルタナティブに触れる / オルタナティブで在る必要があると僕は思う。

ただし面白いことに、自分でなんでもできるようになったり、オルタナティブであろうとしたからといって、他の人と仲が悪くなったり、頼まれたり頼んだりができなくなるわけではもちろんない。ただ単に、前よりできることが増えて、選択肢が広がるだけだ。損することは何もない。

地球環境や気象変動などの大きなテーマに取り組むとき、いくら自分に生きる力があったとしても、それは大きなテーマの解決の力にはなりにくい。大きなテーマに取り組むときはひとりひとりは小さくとも、みんなで協力し、多様な力を結集することが必要だ。

かたや、自分の家の水道の調子が悪いとか、家賃が高いとか、電気がつかないとか、一回しか使わない道具をわざわざ買うのが馬鹿らしいとか、そういうのは実はとても簡単に解決できることで、充分自分ひとりでもクリアできることだ。

だから、簡単に言えば、

「主流もオルタナティブも、両方できるに越したことはない」

ただそれだけのこと。

どちらが偉いわけでもない。どちらが間違っているわけでもない。
両方できるようになってから、どちらの波に乗るか決めればいい。

ただ…、もう気づいていると思うけど、お金を主体とする世の中は永遠には続かない。必ず違うものに重きを置く未来が来る。なぜならお金というもの(のほぼ全て)は、自然環境を切り崩し換金する作業から産まれていて、かつ地球は有限だからだ。有限なものを、無限に切り崩し続けることは誰にもできない。

どんな未来が来ようとも「異なる意見や文化の人とも協力しあえること」を信じ、他の人が見向きもしない「その辺のもので生きる」ことができれば、希望を失うことはない。約束する。

 (講師・テンダーより)

※「テンダーさんのその辺のもので生きる」オンライン講座は、講師から生徒への一方的なオンライン講座ではありません。
危険度のある内容を含み、双方向に情報をやり取りする必要があるため、受講をご希望の方は必ず、

・「受講の前に」ページと

・「受配信のための準備」ページを

ご一読ください。

また、主催者である国際文化フォーラム(TJF)が、
なぜ中高生向けにこの講座を開催するのかについては

「その辺のもので生きる」オンライン講座 開催にあたってページに

書いてあります。
読み応えのある内容なので、お時間作ってどうぞ。

全講座の開催案内とレポート

2021年2月〜2023年3月 ※すべての講座を終了しました。

◆ 開催にあたって 
テンダーさんのメッセージ
TJFのメッセージ

◆ 全講座を終えて 
参加者のみなさんへのインタビュー(PDF)
講師テンダーさんの総括
TJFのふりかえり(PDF)
実施講座一覧(PDF)

2021
2/7(日)[01] アルミ缶を使い倒そう【終了】 レポート はこちら
3/14(日)[02] 棒と板だけで火を起こそう【終了】  レポート はこちら
4/4(日)[03] 3D設計と3Dプリントを覚えて、必要なものを作ろう【終了】レポート はこちら
6/6(日)[04] 雨水タンクを作って、水を自給自足しよう【終了】 →レポートはこちら
8/1(日)[05] システム思考を身につけて「しょうがない」を乗り越えろ!【終了】 →レポート 【前編】 / 【後編
10/3(日)[06] その辺の草からロープを作ろう。ロープができれば暮らしが始まる【終了】→レポート 【前編】 / 【後編
11/28(日)【秋の特別編】その辺のもので生きるための心の作法 〜「正しさ」を越えて【終了】
(講師:安納献さん、鈴木重子さん)
→レポートはこちら new!
12/26(日)[07] プラごみから必要なものを作る【終了】 →レポートはこちら
2022
2/27(日)[08] キッチンで鋳造を始めよう! 【終了】レポートはこちら new!
6/5(日)[09] 鉄工を身につけて強力なストーブを作ろう【終了】→レポート 【前編】 / 【後編
8/21(日)[10] きみのためのエネルギー。実用パラボラソーラークッカーを作って太陽熱で調理する【終了】 →レポートはこちら new!
10/2(日)[11] 交渉を学び、こころざしを護る 【終了】→レポート 【前編】 / 【後編
12/25(日)[12]生き物の輪に戻るためにドライトイレを作ろう 【終了】→レポート 【前編】 / 【後編
3/26(日)[13] 当たり前を変えよう、大切なものを守ろう【終了】
(これまでに1回以上参加した方たち向け
→レポートはこちら new!

講師:テンダーさん

鹿児島にて、生態系の再生と廃材利用のための市民工房「ダイナミックラボ」を運営。
システム思考、fab、非暴力コミュニケーション、先住民技術、適正技術等の人類の叡智を核に、考え、実践・実現し、伝えることを繰り返しています。
著書に「わがや電力 12歳からとりかかる太陽光発電の入門書」(ヨホホ研究所)。

講座概要

募集対象

中高生、大学生、社会人
(募集人数は各講座によって異なります)

参加費

おおよその目安として以下をご参照ください。
道具・材料費や講座内容によっては、この金額におさまらない場合もあります。

中高生:1,000円〜2,000円
大学生:1,000円〜2,000円
社会人:2,000円〜4,000円

参加にあたって必要な環境

● ZOOMに安定的に接続できること
講座はオンラインで行います。
使用するオンライン会議ツールは変更になる可能性があります。
具体的な機材環境については、「その辺のもので生きる」オンライン講座 受配信のための準備を必ずご覧ください。

●その他、各講座によって作業や安全のために必要な環境が異なります。
詳細は各講座のページでご確認ください。
 
●参加者用コミュニティについて 
discord、slack等のコミュニケーションツールを利用した参加者限定のオンラインコミュニティにご参加いただく可能性があります。

危険度ランク

講座によって危険がほとんどないものから火を使った加工を行うものまで幅があります。
各講座の内容とあわせて参考にしてください。

組合せて参加をおすすめする講座

関連するいくつかの講座を組み合わせて参加することによって、その分野をより深く学ぶことができます。
各講座の「組合わせて参加をおすすめする講座」欄を参考に選択してみてください。
  

・2/7 「アルミ缶を使い倒そう」
・10/3 「鉄板をハサミで切って、金属加工をはじめよう」
・11/7 「錫やアルミを七輪で溶かして、鋳造してみよう」

道具・材料

参加者のみなさんに用意していただくものと、主催者よりお送りするものがあります。

●参加者のみなさんにご用意いただくもの
すべての講座に共通して使用する「基本セット」と「各講座に必要なもの」があります。

●主催者よりお送りするもの
各講座によって異なります。主催者よりお届けする道具・材料がない講座もあります。

主催・問合せ先

公益財団法人国際文化フォーラム(担当:室中)
japanforum@tjf.or.jp
tel. 03-5981-8652
(月-金 9:30-17:30、【休業日】土日祝日および12/29-1/4)