みんなのフォトエッセイ

   ぼくは体育が大好きな高校生です。たとえば、サッカー、バスケットボール、バドミントンなど。なかでも、サッカーは人生の大部分を占めています。
   サッカーの話は、ぼくの四歳の誕生日からはじまります。お父さんがくれた特別なプレゼントが、サッカーボールでした。それから、ぼくとサッカーの切れない縁が結ばれたのです。覚えているかぎり、小学校を卒業するまでに四つのボールをダメにしました。ボール1個の値段は、当時のぼくの家にとってはかなり高価なものでした。
   中学時代はいちばんサッカーに熱中しました。ボールをけってダメにしてしまうたびに、お父さんは、もう買ってやらないと言ったものです。でも、何日もしないうちに、雨あがりの虹のようにボールはまたあらわれました。こんなかんじで、サッカーとぼくとは、もう15年いっしょです。でも、高校に入ってから、あんまり長い時間サッカーをすることができなくなりました。
   バティストゥータでさえ年をとることから逃げられないなんて、だれもが残念に感じたでしょう。でも、ぼくの目には、彼はすごく強くて、どんなときも希望を捨てずにいるようにみえます。だから、ぼくは彼を「サッカー人生」の鏡として尊敬しているのです。彼はアルゼンチンサッカーを引っぱっている人です。サッカー以外で、彼の一番いいところは、誠実で、絶対にうそをつかないことです。そのせいで失うものもたくさんありましたが、得るものも多かったことでしょう。サッカーは、ぼくらを親友にしてくれました。ぼくは、バティストゥータを熱愛するみんなといっしょに祝福します。彼はぼくにとって永遠のあこがれのスターなのです。
   サッカーはとてものびのびできます。力いっぱいボールをけるとき、左手を高く上げて右足をうしろに引くと、体がすっかりのびて、空を飛んでいるような、また水の中を泳いでいるような感じになります。キックの瞬間は、全身の力を出しきります。ボールは高く高く飛び、空中に美しい弧を描きます。ますます遠くに飛んでいくボールを見ると、どこまでも広々とさわやかな気分になります。
   そうです、こんなに軽いのです。ヘディングして、胸で止めて、膝ではずませ、すねでおさえ、かかとをけりあげ、つま先で受ける。ボールは妖精のように体のまわりで飛びまわり、軽々と行ったり来たりして、いやなことも一緒に飛ばしてくれます。
   サッカーには優雅な美しさもあります。国際レベルの選手がボールをあつかうのを見ていると、ちょっと体の重心を移すだけで、敵をかわすことができたり、無造作に見事なパスを出したりすることができます。ボールは彼らの足さばきにかかれば優雅な芸術のようになります。こんな試合を見るのは本当に気分がいいです。
   一方、サッカーは力と情熱を表すものでもあります。ヒュッとボールが飛んでいくとき、強風をまきおこし、気持ちを大いにふるいいたたせてくれます。シュートがゴールポストにはねかえされれば、気持ちがふるえるのを感じます。サッカーの力は激しい感情をかき立て、血をたぎらせ、心をすっきりさわやかにしてくれます。
   これがサッカーなのです。のびのびと、軽々と、優雅で、力と情熱にあふれているのが。こうしたすべてがもたらすのは楽しさです。わずか数十分のあいだ、ボールとともに緊張し、気持ちが高ぶり、失望し、また興奮します。まさにボールと一体になるのです。パスを奪い、パスし、シュートし、得点するたびに、楽しみを与えられます。試合の後は抱えていた悩みも雲のかなたへ消えてしまいます。
   サッカーが大好きです。無限の魅力をもつサッカーが！