第30回よみうり写真大賞高校生部門「フォト&エッセーの部」入賞作品
「レンズの向こう」 鈴木萌美(埼玉県)
メッセージ
彼女は読書が好きである。黒い革製の通学カバンの中には、常に重い本が入っている。そんな彼女の特に好きな作家は三浦しをんである。三浦しをんという作家は、小説やエッセイを手がけており、読んでみるとエッセイの中で語られている思想が彼女とそっくりでおかしいと思ってしまった。読むだけでなく書くのも好きで、私のマンガの原案を考えてもらったこともあった。お陰でとても良いマンガが描けたので感謝している。
私の学校では日本でも珍しく映像を教えている。専攻はCG、写真、ビデオに分かれていて、彼女はビデオを選択している。ビデオカメラを使ってドラマを作ったり、シナリオを書いたりするのだ。今はビデオ選択者全員で、ドラマを一つ作っている。彼女はセットを作るため放課後にもスタジオに赴き、トンカチを振っていた。普段は愉快な会話と独特の動きで皆を笑わせているが、この時のまなざしは真剣であった。
主人公について
読書という同じ趣味を持った高校入学してからの友人です。彼女を主人公に選んだのは、表情や行動の表現が豊かで、カメラに対してサービス精神が旺盛だからです。そして、彼女と学校で一緒に過ごす時間が多いからです。