第31回よみうり写真大賞高校生部門「フォト&エッセーの部」入賞作品
「アフロ レインボー」 モナ・ジュリア・ノイハウス(イギリス)
メッセージ
一眼レフを手にしてから、私はどこへ行くときでもそのカメラを持ち歩いている。そしてどこへ行くときもニキータは一緒。ニキータは、学校では勉強にめったに集中しないし、人は彼を単なる怠け者と思っているだろう。でも私は、みんなが想像もできないような彼の側面を見つけたよ。
例えば音楽を演奏したり、何か好きなことをしているとき、彼は脇目もふらず、一言も話さない。そんなときの彼は全く違う人。彼はクラスではおちゃらけた発言をしたがるし、自然に、そして簡単に誰でも笑わせることができる。彼は、本当に自分が好きなことをして人生を楽しんでいる人、という一番いい例だ。
彼の着ている明るい服のおかげで、私の写真は他の人の写真よりもカラフルになった。だけど一番大切なことは、一人の人間として彼は、彼のカラフルな服を全て合わせた以上に、彼自身がなお一層カラフルな存在だということ。そんな彼の姿を、写真を通してみんなに伝えたい。
主人公について
2年前、ニキータが学校へやってきたとき、大きなアフロヘアーと変な服装で彼はすぐに有名になった。私は彼と最初はあまりたくさん話さなかった。彼が目立ちたがり屋に思えたからだ。でも、2008年初めから時間を一緒に過ごすようになって1年以上経ち、今では、私こそが彼をよく知る数少ない人のうちの一人だ。彼を知るようになって私はうれしい。自分以外の人の内面というものを、実際に深く知ることができる、という幸運はいつもあるとは限らないから。私が撮った写真から、単なる「アフロマン」だけではないもっと多くの彼の側面を伝えたい。
※ キャプションは本人が書いた文章をそのまま掲載しています。