第31回よみうり写真大賞高校生部門「フォト&エッセーの部」入賞作品
「大切な君」 法月光代 (兵庫県)
メッセージ
学校の帰りにはいつも、君と並んで歩きながら、いろんな話をした。馬鹿な話も真面目な話も、まとまりのない言葉のままで語り合った。自分とは違う、君の視点をたくさん知った。そのたびに私は、少し驚き、少しあこがれた。自分のことを伝えるのが下手な私を、君はいろんな角度から見つめてくれていた。小学生の頃から知る君を、少し不思議な気持ちで写真に収める。長い時を経て、変わったもの、変わらないもの。私も君のこと、しっかり見つめてこれていたかな。あのころからの笑顔と、ちょっと毒気が混じった君の言葉。そして、君が元々持っていた、強さと派手じゃない優しさが、今ではどこか凛とした背中の感じとなって、よりいっそう私の心に焼きついた。
主人公について
高校生になってからの友だちで、同じ部活に所属していてよく一緒に行動します。一番身近にいて、カメラを向けても素直に応えてくれる人なので主人公に選びました。