2012年度 入賞・入選作品
「彼女は、」
井上紅
メッセージ
慧子。同じクラスで同じ部活。私の先にはいつも彼女がいた。 光は私に届くことはなかった。憧れよりも嫉妬。劣等感よりも嫌悪感。 傍にいるのが嫌だった。 ファインダーに映る彼女は自分の世界を自由に漂う。儚げな夢を追う瞳に宿る光は ゆるぎない自信。そこに私の存在が入りこむ余地はない。たじろぎながら私は思う。 いつかその瞳の中に映る私を確かめたい。慧子。私のライバル。
主人公について
同じ写真部で、クラスメイトでもある彼女を、気になる存在として 撮影し始めた。