寮生を自分の子どものように

摂南大学

寮生を自分の子どものように

PEOPLEこの人に取材しました!

河合寛さん

摂南大学国際会館 管理人

摂南大学の学生寮で管理人をしている河合寛さんにインタビューをしました。留学生活の中で、私たちに一番近い存在である河合さんのことをもっと知りたいと思い、仕事のことや、学生に対する思いなどを聞きました。

この仕事を始めた経緯

私は34年間サラリーマンをしていました。全部繊維関係です。4つ会社が変わっているんですけれども、最後の会社以外は全部会社がなくなっています。最後に勤めていた会社を辞めた後に、ずっと仕事を探していたんです。仕事をしないといけないので。探しているところに、新聞の折り込みチラシで、この管理人の募集があったんです。それですぐに面接に行きました。新聞広告は平日の9時から18時までだったんです。それまで私は猛烈サラリーマンだったので、例えば朝3時ぐらいに起きて始発に乗って、夜10時とか11時ぐらいまで仕事をして帰ってきて、寝る時間が3時間とか4時間ぐらいだったので、9時から18時までなんて全然平気。ただできれば土日は休みたい。というのは、前の会社はサービスで土曜日も働くことがあったので。それで、土日は休みたいと言ったら、新聞のチラシは平日と載っているけれども、実際探しているのは土日の管理人だと言われ、最初はそれで落ちたんです。でも、また新聞のチラシで募集していたんです。それで、また受けに行ったんです。今度は担当の人がもう一人いて、最初はここに来るのに朝7時なんで、公共機関が使えない、24時までだったらまたバスもないですよって言われたんですけど、私は家から12 3分ぐらいで来れます、自転車で来ますって言って、内定をもらったんです。

 仕事内容

私はまだ管理人としては1年目です。だからまだまだ先輩の管理人さんからよく怒られています。そういう感じで管理人の仕事1年目です。新人です。

 1日のルーティーンは、朝はだいたい645分ぐらいにここに入ります。それでカーテンを開けたり、ホールの電気をつけたりして、すぐ外の掃除に行きます。雨が降っていても、外の掃除をして、そして、1階のフロアの掃除をします。その後、入居者のチェック表をチェックをした後、巡回に行きます。9階から2階まで異常がないか。コロナですから、消毒しながら行きます。それが終わってだいたい940分ぐらいですね。そこから学校に行って、学生課と庶務課で毎日日誌を書いているんです。それで午前中の仕事が終わります。昼からは、みなさんのモニタリングをさせていただく、何かトラブルがないかとか不審者が入ってこないかとかという感じで見るんですけども、昼からも外の掃除をします。途中で学生さんから何か問い合わせが来たりとか、あるいは、施設課の人がここの不備があるから見に行きましょうって一緒に連れて行ったりする時もあります。管理人の仕事って、ほぼほぼ掃除です。サラリーマンの時に比べたら、5キロ体重が減りました(笑)

それから、夜の11時に最後の巡回に行くんです。夜の管理人の仕事は暗くなったら、あまりすることがないんですよ。掃除もできないし。19時から20時までは休憩時間なんですけど、私は管理人室で食べているので、ずっとモニタリングしてるんです。終わって今度24時になったら業務終了。鍵を閉めて帰って行きます。

この仕事をしていて感じていること

今までは会社の中で、チームワークだったり、社長があって上の人から怒られたりとかあったんですけど、一応管理人の仕事は管理人室に1人だけなので、1人でいろいろできるっていう、いわばフリーですね、監視されることがないので。それが一番おもしろいっていうとおかしいけど楽かなと思います。

 寮生さんがみんな挨拶してくれる時はうれしいです。掃除している時でも下向いてやっているので、その時に、ふと気がついて、「おはようございます」って声かけてくれる人もいて、そういう声掛けをいただくとすごくうれしいです。一応管理人として認めてくれているのかなあと思ったりして。前に、鍵をなくしたっていう女の子がいたんですけど、その子への対処の仕方がわからなくて、一応入れてあげて、「多分学生課に連絡したらいいと思います」というような感じで言ったんですけれども、その子に「守衛室で借りるんですよ」って言われ、「管理人さんでしょう」って怒られて、そうかと思って、その女の子に謝ったら、大丈夫ですって言ってくれて、そこからその子とは仲良くなったんです。仲良くなって、いろいろ話しかけてくれるし、掃除していたら「管理人さんこんにちは」って声かけてくれて、「こんにちは」って言ったりして、自分が失敗しても、許してくれて、そうやって仲良くしてくれるっていうのは嬉しかったです。挨拶ってやっぱり大事だと思うんですよ。「おはようございます」でも「こんにちは」でも、「こんばんは」でもね、大事だと思います。それが管理人と寮生さんのつながりだと思うんです。

 寮生に対する思い

管理人の一番大事なことは寮生さんが何事もなく無事に毎日過ごせるということですね。管理人のマニュアルの中には、寮生さんたちは、自分の子どものような感じで見守ってくださいとあるんですよ。実際に年じゃないですか私たち。自分の子どもよりは若いですが、実際子どもみたいな感じです。だから管理人の仕事の喜びは寮生さんが何事もなく1週間終わってくれることです。管理人の仕事って寮生さんのための仕事です。自分から出るって言わなければ4年間いるのでね、その4年間をここでもちろん勉強もしながら、楽しい生活を送ってもらいたいなと思います。

 海外に行くってすごくいい経験だと思うんですよ。私も初めて外国に行った時、自分なりに、いい経験だったなと思います。前の会社の時は後輩に「海外は一回絶対行くべきや」って言っていました。日本に来ているということはみなさんさんすごいなと思っています。ここに来られている留学生のみなさんすごいなと思います。成長しますよね。苦労も多いかもしれないですが、日本にいる間に、もちろん勉強もしっかりしなきゃいけないですけども、生活自身も楽しんでほしいですね。いろいろな経験をして帰ってほしいです。それが私の希望ですね。

(インタビュー:2022年6月)

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