ご飯の力で学生たちを応援

摂南大学

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PEOPLEこの人に取材しました!

大中真代さん

(株)常翔ウェルフェア せっちゃん食堂店長

摂南大学の食堂「せっちゃん食堂」に勤めて26年。今は店長として、調理や新メニュー開発などを担当している大中さん。学食に興味を持って、食事を作る方の話を聞いてみたいと思い、インタビューをしました。この仕事を始めた経緯、食堂での仕事内容やできごとなどお話を聞きました。

この仕事を始めた経緯

Q:この仕事を始めたきっかけは何ですか。

子どもが手を離れたから仕事をしようと思って、広告の募集を見て、料理が好きだったから、ここを選びました。平成10年に入りましたから、もう26年。若い時は美容師をしていました。そこから結婚して仕事を辞めて、しばらく何もしなくて、子どもが大きくなってからここに来ました。

Q:どうして料理に興味をもったんですか。

好きだからです。人に食べさせるのが、自分が食べることより。

Q:店長にはいつなりましたか。

全然店長になる気はなかったんです。ずっと副店長でと思ってたんですが、前の店長の方が突然亡くなられたんです。それで、急遽その日から、もう嫌も応もなく。ノーは一切なしっていうことで、なってからもう9年目ですかね。

食堂での仕事について

Q:パートと店長の仕事はどう違いますか。

うちはやることはほぼ一緒です。ただ店長は店長の仕事があります。パートさんは自分の丼のところとか、うどんとか。私は大体どこでもできるようになっています。休んだ人がいたら、今すぐ休んだとこ入らなきゃいけないから、一通りのことは全部できるようにしています。うちはベテランが多いので、みなさん同じように仕事はできます。

Q:勤務時間はどうなっていますか?

嘱託の社員は4人いて、私は専任で、それで5人の仕事はだいたい8時間半です。私はラグビー部の朝食を担当しているので朝7時から3時半まで。ラグビーの夕飯を出すのは夜の9時過ぎまでおります。その人は昼の1時に出勤してきます。それは毎日一人嘱託の人が交代します。だから、嘱託と私は休憩を1時間入れて8時間半働きます。パートさんはだいたい、契約は4.5時間から5時間の間です。忙しかったら残業という形でだいたい5時間から6時間いてもらうけど、だいたい2時から3時の間に帰っています。

 

この仕事をしていて感じていること

Q:食材の準備はどのくらいかかりますか?

それは一概に言えませんが、仕込み担当の人が3人から4人。その人が朝から夕方までずっとしてます。うちは全部手作りだから、お肉も全部切ってますし、野菜も全部初めから切ってるから結構時間はかかりますね。パートさん3人がかりで4~5時間かかってますね。

Q:新しいメニューを決める時にはどうしていますか?

嘱託の4人と私とで案を出しあって決めます。決定権、責任は私ですが、だいたいその4人、5人で話し合って決めます。

Q.:レシピを間違えるようなことはありますか。

うちはほぼ間違えません。自慢じゃないですけど、ほぼロスはないです。食材を廃棄するということがないです。ラグビー部の食事を出しているので、ラグビー部のメニューと毎日出してる日替わりの定食をだいたい似通ったものにしています。ですから、全くロスを出さない。そこはうちの特徴です。

Q:仕事をしていて、けがをしたことありますか。

小さいけがは結構、包丁でちょっと切ったりとか、爪のとこを剥がしたりとかはありますが、私自身はそんなにないです。パートさんで一番大きかったのが床に滑って骨折したというのがありました。でも、それは労災なので、極力出さないように頑張っています。

仕事でのできこと

Q:記憶に残っている職員さんや学生はいますか。

25年おったらね、ありすぎて。どう言うたらいいんかな、25年いるとやっぱり昔の学生さんと今の学生さん、だんだん変わってきてるんですよね。性格じゃないんでしょうけど、いろいろ変わってきてます。昔の人は卒業しても来てくれたりとか、卒業の時に挨拶に来てくれたりとか、そういうのが結構あったんですけど、今はドライになっているというか。いや、言ってくれるんですよ、「おいしかった」って。日々は言ってくれるんです。「おいしかったです」、「ありがとう」は言ってくれるんですけど、そういう情っていうのは、昔の方がちょっとあったかなっていう感じがします。コミュニケーションの取り方ですよね。今はわりとドライになってきてます。どっちかと言うと。

Q:この仕事のやりがいはどんなところですか。

それはもう一言、学生さんが喜んでくれることです。「おいしかった」「ありがとう」が一番のやりがいです。

せっちゃん食堂人気1位メニュー「鳥ポン定食」(490円):

休みの日の過ごし方

Q:休みの日や仕事が終わった後はどう過ごしていますか。

私は読書がすごく好きなので、休みの日はほとんど本を読んでます。家で読むのが嫌いで、市の図書館か、イオンとかで23時間は読んでます。雑読で、何でも好きです。推理小説も好きだし、ドキュメンタリーも好きだし、いろんな本を手当たり次第読んでます。

Q:料理の本は好きですか

料理の本はほぼ見ないです。料理はもうこの年齢だから、全部体に入ってるから。参考にはしますよ。スマホで、今の流行りとかいろんなの出てきますよね。でも、そのレシピはほぼ見ないです。レシピ通りしておいしかったためしはないんで、はっきり言って。それぞれの味がありますから。その通り作っておいしいと思う人はそれでいいんですが、私はあんまり好きじゃない。料理はすべて感覚でやってしまう。これはプロじゃないんですよ、素人だから。プロのコックさんはちゃんと量測って。誰がやっても同じ味のようにするのがプロの人だけど、私は決してプロではないので。

Q:読書以外に趣味はありますか。

ないね。それは仕事。仕事してたら体調がいいんです。休みの日は体調が悪くなって。だからあんまり休みたくはないです。

Q:休みのときによく食べる食べ物やお菓子はありますか。

若い時は、勉強のために、食べ歩き。私はだいたい一人で行動するんです。仕事が人と関わる仕事だから、休みの時は自分一人で行動するというパターンがあって、だから、いろんなところ、評判のいいとことか行って食べてみる。これおいしいからどうして作ってあるのかなとか。でも、もうこの年齢なので、あんまり入らないのよね。食欲はあるんやけど、あんまり胃に入らないから。この頃はしなくなってきたかな。ただ、スイーツとかね、コンビニで新作が出て、そういうのはぱっと目についたら、どうしても食べ物に目が行ってしまうので、買ってみて食べてみたりとかはします。

Q:この仕事が全部終わったら行きたい場所とかありますか。

退職した後、この仕事辞めた後、行きたいのは、若い時は一人で電車に乗って全国ずっと回るっていう夢がありましたが、この年齢、年いってから好きなことしようと思ったらもう遅いよね。体力がやっぱりもうなくなってくるし。この年代になったらちょっと出かけても足にちょっとしんどくなったりとか、やっぱり一人だと人に迷惑かけるから、なかなかもう今さら無理かなっていう思いもありますけど。でもできる範囲でちょっと行けるところは行ってみたいなって思います。ほとんど旅行してないので。

65が定年なんですけど、コロナになって、人がいなくなって、もうちょっとがんばろうと。今、世間が70歳まで定年っていうふうに延びてきているから、とりあえず70まではいてくださいということです。あと1年ぐらいがんばります。

(インタビュー:2024年6月)

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