子どもと世界をつなぐ旅人でありたい。藤本正樹さん

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「旅人先生ふじもん」こと藤本正樹さんは、これまでに世界86ヵ国を旅し、体験し感じた「世界のリアル」を子どもたちを中心に日本の人びとに届けている。6年間の教員生活で感じたことがその原動力になっている。そんな藤本さんの「んじゃめな!」

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◎子どもと世界をつなぐ旅人でありたい
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2015年4月に「ふじもん先生の旅人プロジェクト」を始めました。このプロジェクトの中心は講演や出張授業で、私がさまざまな国で体験したことをもとに、世界で今何が起きているのか、日本人として生きていくとはどういうことなのか、などについて話をすることです。この活動の原点にあるのは、海外の旅での体験と、私が教員をしていたときに強く感じた課題です。

私は大学卒業後すぐに教員になったわけではありません。大学卒業後、当時情熱を注いでいた基礎スキーの選手の道に進みました。夏は販売店で働き、冬は山に入ってスキー指導員をしながら練習するという生活でした。2シーズンめの夏、トレーニングのためニュージーランドで数ヵ月過ごしました。これが初めての海外で、何もかもが新鮮でした。出会った人びとから大きな刺激を受け、痛感したのは自分が知っていた世界の狭さでした。

3シーズンを経て結果が出せなかったため選手を引退しました。そして、オーストラリアにワーキングホリデーで1年滞在した後、アジア地域を中心に世界各国放浪の旅に出たのです。そこで見た世界、それは、戦争で傷ついた人びとやスラムの子どもたちなどが数多く存在する、想像をはるかに超える厳しい現実でした。しかし、同時に家族や友人を愛し、平和を望んで生きている人たちの姿があったのです。ありのままの現状を日本の子どもたちに伝え、共に考えたいと強く思うようになりました。

帰国後、私立高校の教師、東京都板橋区教育委員会職員を経て、埼玉県内の公立中学校で教壇に立つなかで、強く感じた課題は、子どもたちの視野の狭さ、将来の夢を描けない、世界がどうなっていたらいいかを語れない子どもたちの姿でした。自分だけの価値観に縛られるのでなく、広い世界を知って、自分の人生を見つめてほしい。そのためには教育はどうあるべきなのか、自分は何をすべきなのかを考え、悩みました。

そんなとき、海外での体験を私自身のことばで話すと、子どもたちの目がいちばん輝いていることに気づきました。インターネットで情報が得られる時代だからこそ、暑苦しく生の言葉で「世界のリアル」を語る人間が必要であり、これこそが自分がしたいことなんだという思いが沸き起こってきました。その言葉に刺激された子どもたちが、「自分も世界に出てみたい!」と思い、後には世界のために活動をするようになる。私はその火付け役になりたいのです。

そのために自分は旅人であり続けたいと思い、教師を辞め、再び世界一周の旅に出かけることにしました。南米から中米、北米と縦断し、中東からアフリカ東部を縦断、そしてヨーロッパからユーラシア大陸を横断して1年3ヵ月後に帰国しました。ちょうど1年前のことです。

「ふじもん先生の旅プロジェクト」では、今後、子どもたちや先生向けの海外研修や、旅をテーマにした教材作成などいろいろなことをやっていこうと考えています。このプロジェクトはまだまだ始まったばかりです。本気で動いている人には必ず道が開けると信じて突き進んでいこうと思います。


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http://fujimonsensei.com/

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ニュージランド

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ニュージランド

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最初の世界旅

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最初の世界旅

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二度目の世界旅

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二度目の世界旅

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2015年に行ったインド

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2015年に行ったインド