米
こめ
Rice
米は日本人にとって主要穀物である。東南アジアなど熱帯気候の湿地帯で始まったとされる稲作は、中国あるいは朝鮮半島から日本に伝わった。その時期は、弥生時代(紀元前300年〜300年)とも縄文時代とも言われている。
米の種類は多く、10万種類以上が100ヵ国以上で生産されている。日本で生産されているものだけでも数千種類に上る。米は、形や成分、生態などによって、ジャポニカ米とインディカ米、その2つの中間に位置するジャワニカ米に分けられる。ジャポニカ米は、ほかの米に比べて、アミロースが少なく、アミロペクチンが多く含まれ、さらにグルテンに富んでいるため、ねばりが強い。日本人がふだん食べているものはこのジャポニカ米である。稲作の種類は大きく分けて、水稲と陸稲がある。日本では99.7%が水稲である。稲作は、伝統的に宗教的な意味を持つとみなされ、現在でも行事の中で神への祈りは受け継がれている。守護神に敬意を表する祭りの多くは、収穫の祭りでもある。
米からいろいろな加工品が作られる。ジャポニカ米の一種であるねばり気の強いもち米から作られたもちは、薄く切って乾かしたあと炒って、しょうゆで味つけするとあられになる。団子などの和菓子は米粉から作られる。同様なものにせんべいがある。また、米から酒や酢、みりんなどの加工品が作られる。 "A Day in the Life," TJF Newsletter no.9, 1997
日本人の米の消費量は減少している。消費量減少の背景には、パンや肉類の消費量が増えたことが考えられる。しかし、米の消費量は減ったものの、日本人にとって米は主食であるため、米の需給は農業政策の大きな鍵である。第2次世界大戦直後を除いて、輸入米に対して閉じられていた日本の米市場は、1993年に一部開放することになった。
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