2000年7月号
文化理解は外国語学習を助ける |
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21世紀に向けて、国際交流がますます盛んになってきた。若者が、仕事や留学で外国へ行く機会も多くなってきた。しかし、外国で暮らすことはなかなか容易なことではない。真のコミュニケーションを図るには、言葉だけでなく、その言葉を話す人々の生き方、考え方、そして生活についても理解を深めなければならない。 中国と日本は一衣帯水の隣国ではあるけれど、風俗習慣、社会制度、民族心理など、異なる部分が多い。しかし、同じアジアの国同士、似ているところもたくさんある。また、日本料理が好きな中国人もいれば、中華料理が好きな日本人もいるといったことも生徒に伝えなければならない。相違点とともに類似点を伝えたり、さまざまな人がいるということに気づかせたりすることが重要だと思う。さらに、生け花や茶道などの伝統文化を重視したり、表層的な文化だけを取り上げたりするのではなく、日常生活もまた文化であることを忘れてはならない。また、言語面をおろそかにして、文化だけを取り上げてはいけない。2つの要素をバランスよく扱ってこそ、文化理解につながる日本語学習ができるのではないだろうか。 このように考えて、私は日本語の授業で文化を取り入れるようにした。例えば『日語』第二冊の第15課を学習したあとに、私は下に紹介するような授業を行った。この授業を受けて生徒は日本の高校生に親しみを感じるようになり、「以前、日本の高校生はしかめっ面をした真面目な人が多いと思っていたが、写真を見たり、テープを聞いたりして、日本の高校生も自分と同じように個性豊かな生活をしているのがわかった」と感想を述べる生徒もいた。文化の項目を授業に取り入れることは言語の学習に決して邪魔にはならない。文化に触れることで、生徒の日本語への関心が高まる。そして、生徒の視野を広げ、「地球村」の一員としての資質を養うことにもなるだろう。 「日本の高校生の生活」教案
ねらい: 日本の高校生の生活を通して、日本の社会についての理解を深め、固定観念を打破する。同時に、自分の生活と比較しながら、相違点や共通点を見出す。また、小テストや話し合いを通じて、日常生活に関する生き生きとした言葉を身に付け、「聞く・話す・読む・書く」などの能力を高める。 授業の進め方: 高校『日語』(人民教育出版社発行)第二冊第15課のコラム「日本高中生文化生活一瞥」を読み、自分の生活について作文を書き、日本の高校生の写真集『伝えたいわたしたちの素顔』(国際文化フォーラム発行)を予め見ておくように指示する。 1.写真集の中のどんな写真に興味があるか生徒に質問する。 2.作文を発表させる。 3.日本の高校や日本の高校生について説明する。 4.写真集の説明文に出てくる新しい単語を教える。 5.ヒアリングの小テストを行う。 6.日本の高校生について話し合わせる。その際に、次のようなポイントについて話し合うよう指示する。 (1) 写真集を見る前は、日本の高校生に対してどんなイメージを持っていたか。 (2) 日本の高校生と自分と似ているところと違うところは何か。 (3) 日本の高校生の生活をどう思うか。
白求恩医科大学日語教研室
劉淑艶 |