2005年12月 異文化理解を取り入れる授業を求めて |
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外国語教育の目標は、文章を読み文法を理解させることだけでなく、相手の文化を理解し、お互いに協力し、共存できる人間を育成することだと思います。そこで、私は日本の文化や社会、日本人の考え方などを授業に取り入れるよう努力しています。そのためには、『ひだまり』を始め、視聴覚教材やマルチメディア教材などは大いに役立ちます。そして日本人との交流も生徒たちの日本語や日本文化への興味を高めるのに効果的です。そういった交流の機会を作るために、昨年は一年間で20名ぐらいの日本人を学校に呼びました。中でも一番印象深かったのは、5月に来校された華道の先生が、説明しながら美しく花を生け、実際に生け方を教えてくれたことです。6月には、日本人の先生と協力して、「日本の一日」をテーマにした文化祭を行いました。日本語科の生徒たちが茶道や日本舞踊を披露したり、日本の歌を発表したりして盛り上がりました。文化祭が終わった時の充実感、生徒達が喜んだ姿を見た時の嬉しさは今でも忘れられません。 さて、私は日本で2004年4月から一年間国際交流員を務め、日本人と交流する機会を得ました。国際交流員の仕事は、通訳や翻訳、機関紙の編集、生活相談など色々ありましたが、一番楽しかったのは「中国語講座」です。日本語を教える時と同じように、授業には会話やゲーム、そして中国文化への理解を深めるような内容を取り入れました。受講生から「いつも楽しく、和やかな授業のおかげで、中国語にもっと興味を持ちました」とか「教わったことを基礎にもっと勉強して、中国に行きたいです」と言われた時は、講師をして本当に良かったと思いました。また、ある受講生は、「アジア人同士、お隣の国同士ずっと仲良く助け合っていけるよう努力したいと思います」というメッセージをくれました。それにはまず子供たちに、興味を持って他国の文化や歴史を学び、それらを受け入れることの大切さ、国境を取っ払って、相手を一人の人間として愛することの大切さを伝えていきたいです。中国人と日本人は育った土壌も文化も違います。だから、考え方が違うのは当たり前です。私はいつも生徒に考え方の違いから生じる偏見を捨てるよう言っています。そして、一つ一つの出会いを大切にして、お互いにもっと知っていくことが大事だと思います。いつ、どこで、誰に教えても、楽しい授業をする教師でありたいと思いますし、中国と日本の文化交流の架け橋になるように努力したいと思います。 阜新県蒙古高級中学
包華 |