2003年10月号 数字と数詞 |
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朝鮮語の数字は、漢語読みでは、一(일)、二(이)、三(삼)、四(사)、五(오)、六(육)、七(칠)、八(팔)、九(구)、十(십)となります。一方、日本語では、みなさんご存じのとおり、一(イチ)、二(ニ)、三(サン)、四(シ)、五(ゴ)、六(ロク)、七(シチ)、八(ハチ)、九(クあるいはキュウ)、十(ジュウ)となります。 ここで興味深いのは、「四」の音が、朝鮮語では「사」となり、「死」に通じるイメ-ジを与えているのと同様、日本語でも「四」の音が「シ」となり、「死」を連想させてしまうことです。したがって、縁起が良くないということから、とりわけ病院などの医療施設や健康施設では、「四」をとばして、「三」の次を「五」にしているところが日本や韓国で多く見られます。つまり、「三階」「三号室」の次を、「五階」「五号室」としているのです。また、日本語では「九」の音「ク」から「苦」を連想してしまうため、縁起をかつぐ人は「九」をとばして、「八」の次を十としたりします。一方、好まれる数字の代表として、「八」があります。その字形が、「末広がり」を連想させるからです。 また、朝鮮語の数字には、固有語(순우리말)の読み方があり、一(하나)、二(둘)、三(셋)、四(넷)、五(다섯)、六(여섯)、七(일곱)、八(여덟)、九(아홉)、十(열)となります。同様に日本語にも、一(ひと)つ、二(ふた)つ、三(みっ)つ、四(よっ)つ、五(いつ)つ、六(むっ)つ、七(なな)つ、八(やっ)つ、九(ここの)つ、十(とお)という呼び方があります。日本語の数詞で、おもしろくて、少し複雑なのは、日にちの呼称です。1日目から10日目までは、「ついたち」(これは、月の初めを意味する“月立”などが語形変化したと考えられます)、「ふつか」……「とおか」というように、固有語(和語)で呼ばれ、11日目以降は「ジュウイチニチ」「サンジュウニチ」「サンジュウイチニチ」というように、漢語読みされます。ただし14日と24日だけは、それぞれ「ジュウヨッカ」「ニジュウヨッカ」というように、漢語読みと固有語読みとを交ぜた言い方がされています。 このように、各民族で、数字について独特の観念があり、例えば、漢族では「六」が好まれ、チベットや米国では「七」が好まれるように、興味深い現象が見られます。 |