田中 |
私は、学校って自分の夢を実現させるために勉強するところだと思ってます。高校は、義務教育じゃないんだから、はっきりとした目的を持って来るべきところなんじゃないでしょうか。「親に言われたから」とか、「高校ぐらいは出ておかなければ」という理由で入学した人は、学校に来る意義を感じないのだと思います。私は、将来、一流企業に就職したいので、そのためにいい大学に入りたいんです。だから、一生懸命勉強しています。佐藤くんはどうですか。 |
佐藤 |
そうですね。ぼくが高校に入ったのは、まさにその「高校ぐらいは出ておかなくちゃ」という理由からです。すぐに学校に来るのがいやになって、やめようかと思ったんだけど、その時、友達がいろいろと励ましてくれたんです。学校に来なかったら親友はできなかったと思います。田中さんみたいに将来のためっていうより、とにかく今は、毎日を楽しく過ごすってことが大切だと思ってます。 |
山口 |
ぼくにとって学校は、社会に出るための準備をするところです。いつかは、社会人になるんだから、佐藤くんも学校にいる間に、自分の可能性を探して、将来の目標を見つけたほうがいいと思いますよ。 |
中野 |
山口くんの「社会に出るための準備」という考えに賛成です。そういえば、学校って、いろいろな考えや個性を持った人がいるから、小さな社会みたいですね。 |
田中 |
私もそう思います。人間関係も、勉強の内容もみんな将来のための練習なのかもしれません。 |
佐藤 |
そうかなあ。「社会に出るための準備」だけなら、ぼくの場合、バイトで学ぶことのほうがずっと多いと思います。学校で勉強してる数学なんて、将来はほんの一部の人しか使わないでしょう。 |
山口 |
確かに、佐藤くんのバイトでの経験は、きっと社会人になってすぐに役に立つと思いますよ。だけど、数学とかいろいろな勉強をするのは、ものごとを考える力を付けるためだと考えるほうがいいんじゃないですか。それは、学校にいる間にしかできない大切な勉強だと思います。 |
中野 |
そうでしょうか。私は、看護婦になりたいんですけど、立派な看護婦になるには、実践で勉強を続けることが重要だと思います。学校で勉強することも大切かもしれないけど、その後も一生勉強しなくちゃいけないと思うんです。 |
山口 |
なるほどね。「一生勉強」っていうのは、その通りだと思います。ぼくは、高校を卒業したら、すぐ就職するつもりなんです。勉強は、やる気があれば、いつでもできると思います。だから、社会でいろいろな経験をして、また勉強したくなったら、そのとき勉強すればいいと思っています。大学に行ってもいいし、通信教育を受けるという方法もあるし……。だけど、高校生の今は、自分の人生の中で、勉強だけに集中できる幸せな時期だと思うんです。 |