エジプト古来のそら豆のコロッケ「ターメイヤ」

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鮮やかな緑色がいかにも涼しげなそら豆は、枝豆とともに夏にぴったりの食べ物。学名をVicia fabaといい、英語ではFava beanとも呼ばれますが、さやが空に向かってつくことから、日本では「そら豆(天豆)」の名称が一般的です。地中海沿岸またはペルシャ周辺が原産地とされ、奈良時代の736年に、中国経由でやってきたインド僧、菩提僊那(ぼだいせんな)が日本に伝えたといわれています。

そら豆は、シンプルに塩ゆでしたり、皮ごと焼いたりして食べることが多いのですが、香川県には、煎ったそら豆をしょうゆ・砂糖などで作ったタレに漬け込んだ「しょうゆ豆」があります。そら豆に限らなければ、小豆とかぼちゃを一緒に煮た栃木などの「いとこ煮」、大豆と里芋などを入れた滋賀の汁料理「打ち豆汁」など豆料理は全国各地にあります。

さて、そら豆の原産地である地中海沿岸では、そら豆料理の歴史は古く、郷土料理も多様です。なかでも世界四大文明の発祥地のひとつエジプトでは、ピラミッドからもそら豆が発見されるほど、太古の昔から食用とされてきました。

エジプトのそら豆料理の代表格といわれるのが「ターメイヤ」。乾燥そら豆を水で戻し、ハーブやスパイスなどを混ぜてつぶして丸め、油で揚げたコロッケのようなスナックフードです。このターメイヤとともに、煮たそら豆をレモンやオリーブオイルで味付けした「フール」も、紀元前以来のとても古い歴史をもつ料理です。

以下にご紹介するレシピでは、日本では手に入りにくい乾燥そら豆の代わりに、生のそら豆を使っています。この場合、水分を含んでタネが柔らかくなるので、つなぎ用の小麦粉を多めにし、形が崩れないように手早く丸めて揚げるのがコツ。すでにゆでてあるそら豆は、揚げている途中で分解してしまうので避けてください。たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富なそら豆のコロッケで、夏バテを吹き飛ばしましょう。

ターメイヤ レシピ
【材料】3人分
そら豆(皮をむいたもの)......1カップ(だいたい200g)
たまねぎ......小1個
にんにく......2かけ
長ねぎ(白い部分)......1/2本
コリアンダーの葉......1束
パセリ......1束
小麦粉......大さじ2
ベーキングパウダー......小さじ1
クミン粉......小さじ1
塩......小さじ2
白ごま......大さじ3(炒ったもの)
油......適量(揚げ油用)
白ごまペーストまたはヨーグルト(ソース用)......100ml

【作り方】
1.炒った白ごま、油、ヨーグルト以外の材料をフードプロセッサーに入れ、ペースト状にする。
2.1のタネを大さじたっぷり分ずつ取り、手で丸めた後に円盤状につぶして、白ごまをかける。
3.2を熱した油で表面がきつね色になるまで3分ほど揚げる。
4.お好みで白ごまペーストまたはヨーグルトをかけて、できあがり。

〔文・レシピ:青木ゆり子(各国郷土料理研究家・世界の料理情報サイトe-food.jp運営)〕

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今回紹介した「ターメイヤ」を作るときのワンポイントアドバイスや、世界の豆料理について話を繰り広げています。
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