とうもろこしの皮を有効利用した「ウミータ」

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トマトと並ぶ夏野菜の代表格といえば、とうもろこし。日本で今出回っているのは「甘味種」と呼ばれる甘みの強い品種で、野菜に分類されています。とうもろこしは米、麦と並ぶ「世界三大穀物」のひとつといわれています。利尿効果が高いとうもろこしは、水分を摂りすぎてむくみやすい夏の季節には、ぴったりの食材といえそうです。

とうもろこしの原産地は、南北にまたがるアメリカ大陸。紀元前5000年頃から広く栽培されていたという、当地では非常に古くから生活に不可欠だった食材です。1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達し、とうもろこしを持ち帰ってヨーロッパに伝わりました。

とうもろこしが日本に入ってきたのは1579年。ポルトガル人が九州に伝えたといわれています。ポルトガルの貿易船が南蛮船と呼ばれていたことから「ナンバンキビ」と呼ばれ、田畑が作れない山間部などで重要な食糧となりました。当時食べられていたのは、現在では家畜の飼料に用いられる「硬粒種」です。やがて明治時代に北海道で、今日の主流になっている甘味種のとうもろこしが大々的に栽培されるようになったのです。

さて、とうもろこしは普通、実の部分だけを削いで食べますが、普段は捨ててしまう皮や芯の部分にも、実と同じうま味が含まれています。そこで今回は、ペルーやボリビアをはじめ南米全域で古くから食べられている、とうもろこしの皮のうま味を有効利用した「ウミータ」をご紹介します。

ウミータは、ペースト状にしたとうもろこしにクリームチーズなどを混ぜて、皮に包んで蒸した料理。皮から抽出される香りが、とうもろこし特有の香ばしいおいしさを引き立てます。

日本には、とうもろこしの実と芯を米と一緒に炊く、宮崎県・高千穂地方の「とうきびごはん」や、輪切りにしたとうもろこしで出汁をとり、具としても食べる山形県・庄内地方の「とうもろこしの味噌汁」などがあります。芯から出るおいしい出汁を活用した郷土料理ですね。

今年の夏は、定番の焼きとうもろこしだけではなく、とうもろこしの皮や芯も料理に活用して、元気に夏を乗り切ってみてはいかがでしょうか。

ウミータ レシピ
【材料】4人分
とうもろこし......4本(皮も使用するので、取っておく)
たまねぎ......半個 みじん切り
クリームチーズ......60g
バター......大さじ2
牛乳......50ml
とうがらし粉......小さじ1/2
クミン粉......小さじ1/4
黒こしょう......小さじ1/2
塩......小さじ1/2

※ 楊枝4本
※ 100円均一の店などで販売しているコーンカッターの使用を推奨

【作り方】
1. とうもろこしの実を削ぎ、牛乳を加えながらフードプロセッサーにかけ、少し粒が残るくらいにクリーム状にする。
2. 鍋にバターをしき、たまねぎを香り立つまで炒め、とうがらし粉、クミン粉、塩、こしょうを加えてさらに炒める。
3. 2に1のとうもろこしのペーストを加えてよく混ぜ、2、3分熱する。
4. 3を火からおろし、少し冷ましたらクリームチーズを加え、冷蔵庫で2時間くらい冷やす。
5. さっと熱湯を通したとうもろこしの皮に、4の具を乗せて包み、楊枝で止める。
6. 5を蒸し器で30分ほど蒸す。冷めたらできあがり。

▼ インターネットラジオ「ごちそうリミックス」
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