りんご記念日応援団桂竹丸さん

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りんご記念日は9月2日。
はじめてタイ語で落語を演じた日です。

やってみたいと思ってから3年余り。
タイ語独特の声調、有気音・無気音の区別に苦労しながら特訓を重ねました。

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▼タイ語も落語も人と人をつなぐ隣語
2014年9月、タイの3つの国立大学とクロントイ・スラムにて、タイ語で落語を演じました。

英語やその他の外国語で落語が演じられるのを見て、自分の好きなタイ語で落語をやってみたいと思い立ってから3年あまり。タイのシーカー・アジア財団の協力や、日本の文化庁の助成を得て、落語の他にも、紙切り、太神楽曲芸、太鼓など、日本の伝統文化を紹介する芸能公演を実現することができました。

旅行で訪れたタイは、子供の頃に住んでいた大阪と似たところがあって、とても心地よく落ち着く場所でした。タイの人々の、相手を思いやる気持ちが大好きです。白か黒だけではない、その間にあるグレーをちゃんとわかってくれる。そんな、やさしさがあるのです。

タイ語はタイ語学校へ通って、もう5、6年勉強しています。今でも苦労するのは、声調(イントネーション)と有気音・無気音の区別ですね。日本語では同じ音に聞こえても、声の高い低いや、息を出すか出さないかによって、タイ語ではまったく違った意味になってしまいます。

タイ語落語の演目に選んだのは、古典落語の「動物園」です。日本語でもお客様の前で披露したことのない噺を、いきなりタイ語で演じなければならなかったので緊張しました。さらに、日本語のときは、ことばの語呂合わせの洒落で笑わせることができますが、タイ語だとそれが使えません。ストーリーの落ちの部分で笑わせるしかないのです。タイ語学校の先生に相談しながら、本来12~13分の演目を7分くらいに作り直し、録音してもらったタイ語を聴いて2ヶ月特訓しました。

外国語を学ぶことは、相手をもっとよく知ろうとすることです。それはつまり、愛ですよ。ことばというものは、結局は愛情だと思うのです。ことばを知れば世界がひろがる。そして、いろいろなものが、愛おしくなるのです。

落語は、語(ご)がつくだけあって、まさに外国語のようなもの。人と人をつなぐ隣語です。タイ語落語の噺を、これからもっと増やしてタイのみなさんへ届けたいです。タイ語の勉強を続けて、タイへ留学して、タイのテレビでも活躍してみたい。夢が大きくふくらみます。