2004年10月 未来の自分へのプレゼント |
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世間には、写真に写るのが嫌いな人もいる。恥ずかしいからという理由もあるみたいだけど、写真は過去の記憶を呼び覚ます媒体で、まるで思い出をモノ化しているようでやるせないから嫌だっていう人もいる。写真がなきゃ、それは思い出として残らない経験なのかって思うのだそうだ。きっと、その人たちは、日記も好きじゃないだろうな。 だけど、自分はあんまり頭が良くないせいもあって、今まで17年間、生きてきた中で忘れたことのほうが絶対に多い。でも、写真だか日記だか、とにかく当時を思い出すことのできるものを見れば、それがスイッチになって「忘れる=消える」ってことじゃない、自分が今まで歩いてきた道は自分の中でちゃんと残っていくんだって、再認識できるからいいと思う。 なんかうまく言えないけど、自分の過去をきちんと見つめなおして、これからに続く昔の自分からの教訓を受け取れるような気もするし。今、生きてるこの瞬間ってのは、未来の自分へのプレゼントなのだって思う。そのプレゼントをなるだけ開封し忘れないように、今日も自分は写真を撮り、日記を書きます。 大城早苗
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『伝えたい私たちの素顔2003』より。『伝えたい私たちの素顔2003』は、「第7回高校生のフォトメッセージコンテスト」(2003年度開催)に寄せられた日本の高校生の作品をまとめたものです。 |