第13号 2002/10 人生を変えた出会い |
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概要ある高校生の「出会い」についての素材文を読み、自分自身が経験した出会いについて考え、表現する。
目標情意目標日本の高校生、隆幸の写真を見たり、文章を読んだりして、隆幸について理解する。
隆幸のアメフットとの出会いがどんなものであったか、難聴というハンディキャップを持つ彼にとってアメフットはどんな意味があるのかを考え、それと比較しながら、自分はどんな出会いを経験したか、その出会いが自分にとってどんな意味を持っているかを考え、表現する。 言動目標n/a
学習文法・文型
・~にとって
・~まで……ませんでした ・もし、~たら、……かもしれません ・~のは、……からです 対象学習者高校1~3年
授業のヒント用意するもの事前準備授業をする少なくとも1日~2日前に、隆幸の写真を教室に張り、生徒に見ておくように伝える。見る際に興味を持ったこと、疑問に感じたことをメモしておくように指示する。生徒の観察力や想像力を引き出すために、中文説明の部分を隠しておくことを勧める。 また、教師は事前に写真の説明や「関連情報」、「授業のヒント」を熟読する。足りない情報があれば、いろいろな方法で調べておくことが望ましい。 |
1時間目: 1. 写真を観察させ、話し合わせる授業のはじめに、「今日は、山本隆幸という人がどんな人物であるかについて、写真を見ながら、考えながら、日本語で話す活動をします。そのあとに、日本語の素材文を読みます」と伝える。そして、生徒を6つのグループに分け、各グループに1枚ずつ、隆幸の写真を配る。生徒に、次の点について観察させ、グループで話し合わせ、日本語で発表するように指示する。 話し合いは10~15分くらい。教師はグループを回って、生徒の話し合いの様子に耳を傾ける。話し合いがうまく進まないグループには、写真に写っているものを指差しながら、「これは何でしょう」「この人は何をしていますか」「どんな気持ちだと思いますか」「(生徒の名前)さんも~をしますか」と聞きながら、ヒントを与えて、支援する。次の点に注目させましょう。
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1時間目: 2. 発表させて、読解の導入を行うグループごとに、話し合ったことをクラスの前で発表させる。すべてのグループの発表が終わったら、教師は、「さあ、皆さんの想像はどのぐらい事実と合っているでしょう」と言って、それぞれの写真を取り上げながら、事実の種明かしをする。この時も、一方的に説明を与えるのではなくて、問答形式にするようにする。生徒が事実に近い想像をしていた時は、「(生徒の名前)さんが言ったとおり、 です」というように、生徒の発言を大事にしながら説明すると、生徒は積極的に発言するようになるだろう。 ◆写真1「金閣寺」
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1時間目: 3. 生徒に素材文を読ませる。素材文を配る。内容理解のための質問を黒板に提示し、その答えを探しながら素材文を読むように指示する。時間がない場合は次の授業までの宿題にする。 <内容理解・確認のための質問>
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2時間目: 4. クラスで3の質問の答えを確認し合う。
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2時間目: 5. 作文を書かせる以下の要領で「私/ぼくにとって大切な出会い」をテーマに作文を書くように指示する。文型と素材文1の段落構成を参考にする。教師は予め用意した自分の作文例も提示して、生徒が作文のイメージが作れるように助ける。ただし、教師の作文を真似るのではなく、生徒一人ひとりの実体験を作文に書くように指示する。 <作文例>私/ぼくは、 の時、 に出会いました。 (どんなふうに出会ったか、具体的に説明→) 。 私/ぼくにとって、 はとても大切なものです。 (大切な理由の説明→) 。 (もう一度、その出会いの意味についてまとめる→) 。 |
2時間目: 6. 話を聞き合わせ、発表させる生徒はペアになり、作文に書いたことをもとに、お互いの「私/ぼくにとって大切な出会い」について話を聞き合う。何人かの生徒に、自分が聞いた相手の話を発表させる。ペアやグループでそれぞれの作文や聞き合った話をもとに寸劇を作らせ、クラスの前で演じさせてもよい。 |