教学設計
 
第22号 2005/1
概要
日本の漫画喫茶について書かれた読解文から漫画喫茶の移り変わりを年表にまとめるとともに、自分の身近な施設の移り変わりを調べて発表する。
目標
情意目標
日中のくつろぎの場やくつろぐ方法について考えると同時に、その歴史的変遷を調べ、社会の変化に伴い、くつろぎの場やくつろぐ方法も変化することを学ぶ。
言動目標
歴史的変遷や未来について表現できるようになる。
学習文法・文型
受け身、変化を表す表現(~ようになる)、予想を表す表現(きっと/たぶん/もしかしたら~でしょう/~かもしれません)
対象学習者
高校生(教科書との関連:『日語』第1冊第18課「カラオケ」、第2冊第4課「現金からカードへ」、第2冊第12課「ソーラーカー」、第3冊第7課「コンビニ」)
授業のヒント
用意するもの
事前準備
-
1. 導入
2. 読解作業
(1)
必要に応じて語彙・表現リストで意味を確認しながら、素材文を黙読させて、問題を解かせる。
(2)
答え合わせをする。
(3)
タスクシート(別紙)の年表を作成させる。

指导学生制作年表时用词要简练(比如:使用普通体、体言结句、关键词等),尽量写在一行里。

3. 調べ学習
(1)
漫画喫茶が人気がある理由や、人々が漫画喫茶に行く理由を考えさせて、発表させる。
〈例〉
リラックスするため/漫画を読むため/インターネットを利用するため/時間をつぶすため
(2)
「自分や身近な人は、どこで、どのようにくつろぎの時間を過ごしていますか(リラックスしますか)」と質問して、漫画喫茶と同じような機能を備えた施設があるかどうか、ない場合はそれらに代わる場所(自宅、庭、道端)を考えさせ、発表させる。
(3)
グループに分け、(2)で挙げた施設で、移り変わりについて調べたいものを決めさせる。そういう施設がなければ、リラックスする方法そのものの移り変わりについて調べてもいい。次の授業までに、インターネットや図書館で資料を収集したり、インタビューしたりして、情報を集めてくるように指示する。
(4)
持ち寄った資料を元に、グループごとにその施設の歴史的変遷を年表にして、画用紙に記入させる。必要に応じて絵や図、グラフなども記入させる。さらに、今から50年後(2055年)の様子を予想させる。未来を表す表現(きっと/たぶん/もしかしたら~でしょう/~かもしれません)を確認する。
(5)
グループごとに発表させる。

以 “50年后我们的娱乐空间” 为题,让每个小组对未来的情景进行充分的想象,将其归纳之后创作出一部融入集体智慧的作品。如果校内还有其他开设日语课的班级,可以学年为单位,发表各自的创作成果,使学生有机会了解其他人对未来的种种设想。

●素材文の問題の答え
1.
飲み物を注文すれば店内にある漫画が読める店だった。
2.
1990年代後半。
3.
テレビゲームの人気が高まり、インターネットが普及して、人々の娯楽が多様化したから。
4.
テレビ、DVD、テレビゲーム、インターネットなどが楽しめる。
5.
中高校生が漫画喫茶を利用することは非行につながりやすいという批判がある。
●年表例
1979年 漫画喫茶が名古屋に誕生
1997年 図書館スタイルの漫画喫茶が出現
1998年 全国で300店に増える。
1999年 インターネットやテレビゲームなどが導入される。
2000年 席が仕切られ、全席にモニターが設置される。
2001年 全国で1500店に増える。
2002年 全国で2000店に増える。
2003年 全国で2500店以上に増える。
執筆:杉山充(青年海外協力隊員として、2001から2003年まで、大連市第一中学で日本語教師を務めた。現在、早稲田大学大学院在学中)