多文化の目で見つめなおす家族
初級文法を終えたばかりの学生でも、専門分野の知識を生かせば、ある程度内容のあるテーマを取り上げることができる、そんな考えから生まれたプランである。ロシア語の学習を通じて高次思考を促し、ロシアに関する新しい知識も得るために、ロシア政府発表の最新統計資料を教材の一部として使用。
Category
- 言語
-
- ロシア語
- 対象
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- 大学生
- 活動タイプ
-
- プレゼンテーション
- 交流
- 資料制作
- 資料調査
- アウトプット
-
- スライド
- ポスター
- 記事
- 話題分野
-
- 住まい
- 日常生活
- 自分と身近な人びと
- 食
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単元目標
・自分の身のまわりや関心のある事柄について,ある程度まとまった内容を趣旨が通じる程度に表現することができる。(提示)
・自分が想定している範囲内で、学んだ語句や文から選択して、相手の協力が得られればやりとりができる。(対人)
・よく耳にしたり目にしたりする語句や文を理解することができる。(解釈)
■この単元案のセールスポイント
1. ごく初級のレベル(CEFR A1レベル)でも、語彙と文法事項を絞り込む、といった工夫をすることで、ある程度内容のあるテーマを取り上げることができた。
→ひと通り初級文法は終えているので、新しい文法項目として導入したのは数詞関連のみで、文章を構成するのに必要な接続詞、統計を読み、発表するのに必要な単語に絞った。
2. ごく身近な話題でありながらも、学生の専門分野で培った技能や知識が生かせるような内容を取り上げた。
→経済学部と法学部の学生だったので、統計学や経済学を勉強している学生ばかりなので、統計資料の読み方や分析方法が、本授業のデータ分析で生かされていた。
3. ロシア語の学習を通じて、同時にロシアに関する新しい知識も得られるように工夫した。
→ロシア政府が発表している最新の統計資料を教材の一部として使用した。
4. より高次の思考を促すような活動の導入を心がけた(ブルームのタクソノミーなど)。
→最初は、データの数字をロシア語で読む練習をし、続いて年代毎の比較、日本との比較などを通じて、簡単な分析がロシア語で書く、発表する、という練習をした。
インタビュー
このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。
2013年度後期に実施しました。ただ、肝心の“ロシア語話者を招待して、意見交換する”という「つながる」部分が実施できませんでした。
どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。
ごく初級レベルでも、大学生の知的好奇心をくすぐるような、自分のこれまで培ってきた専門分野における知識やスキルが活用できるような、内容が十分に深いトピックを取り上げて授業したかったからです。
実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。
特にマイナスな反応はなかったです。ある学生からは、「こんな外国語の授業を受けたのは初めてだ。もっと勉強したい。」と言われて、大変励みになりました。
このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。
とにかく、実施してみて良かったです。実施してみないと見えない改善点がたくさんありました。ただ、私の場合、プランニングしてから、パイロットを経ずにすぐに学期全体で導入してしまったので、反省すべき点は多々ありました。特に、教科書を指定せずに、自転車操業的に全て自分で教材作成をしていたので、とにかく時間が足りませんでした。いきなり学期全体で実施するのではなく、時間をかけて少しずつ導入し、改善していきながら、広げていった方がよかったなと思いました。
同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。
授業やカリキュラムについて情報交換したり、相談したりできるような、教師同士の横のつながりも大切だなと最近痛感しています。「学習のめやす」研修に参加していなかったら、出会えていなかったであろう、様々な言語や学校の先生方と一緒に活動できて、心躍る経験をさせて頂きました。
執筆者
「外国語学習のめやす」マスター研修の修了者(2013)。参加当時、大阪大学講師。「めやす」ウォーミングアップ研修を共同企画・実施する一方、「外国語学習のめやす―ロシア語教育用―」(2015.3冊子発行)作成プロジェクトリーダーや日露教師合同研修(2015.8)主任講師を務める。林田理惠教授の「大学間,高等学校-大学間ロシア語教育ネットワークの確立」科研プロジェクトのメンバーであり、自身では「高等学校のロシア語教員に関する縦断的研究:教師養成のための支援体制の確立」をテーマに研究。 https://kaken.nii.ac.jp/d/r/70635119.en.html