「おいしい話あります」最終回は、南ドイツの肉料理「シュバイネブラーテン」

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 わやわや 2016年12月21日

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◆◆ おいしい話あります!
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パーティで見栄えのする、南ドイツの肉料理「シュバイネブラーテン」
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収穫の秋は、森の中などに棲む野生の動物や鳥たちが、冬に備えて脂肪を蓄えるために、木の実やきのこをたっぷり食べてまるまると太る季節です。狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣をフランス料理の用語で「ジビエ」といい、最近は日本でも通用する言葉となりました。

日本では、野生鳥獣の肉というと、イノシシやシカ、クマ、カモなどがおなじみで、晩秋から冬にかけての山のごちそうでした。まさに日本のジビエです。特にイノシシは縄文時代からの食料だったそうで、のちに仏教の影響で肉食が禁じられる時代になっても、「山鯨」「牡丹」と称して密かに食べられてきました。

イノシシの一般的な調理法は鍋もので、兵庫県の丹波篠山や埼玉県の秩父など、「しし鍋(ぼたん鍋)」が郷土料理として定着している地域も少なくありません。最近では、害獣駆除をかねて捕獲されたシカの肉が大手スーパーで販売されるなど、ジビエも市民権を得つつあります。

ヨーロッパでも、ジビエを食すのはフランスに限ったことではありません。特に「黒い森」をはじめ豊かな森林に恵まれた南ドイツは野生鳥獣の宝庫で、昔から狩猟が盛んな地域。ソーセージをはじめ豚をよく食べますが、野生のイノシシも人気の食材です。

「シュバイネブラーテン」は、そんな南ドイツを代表する肉料理のひとつ。臭みを消して風味をよくするために香味野菜と一緒に肉の塊を煮込むシンプルな料理で、豚肉をはじめどんな肉にも応用がききます。肉と野菜を煮込んだスープは、とろみをつけてソースに。イノシシ肉が手に入ったときもよくこの方法で調理されます。

ミュンヘンのビール祭り「オクトーバーフェスト」で有名なバイエルン州では、ビールを加えてシュバイネブラーテンを作ります。今回はこちらバイエルン・スタイルのレシピをご紹介しましょう。ビールの成分が肉を柔らかくしてくれる効果もあります。

塊で出す肉料理はパーティーなどで見栄えがしますので、クリスマスや新年会などを控えたこれからの季節にぴったりです。そして、イノシシの肉が手に入ったらぜひそちらでチャレンジを。

レシピ
【材料】4人分
豚肉またはイノシシ肉(塊)......900g(300gくらいの塊肉を小分けに用意してもよい)
たまねぎ......1個(角切り)
にんじん......1個(乱切り)
月桂樹の葉......3枚
ローズマリー......2~3cmの枝を1本
タイム......小さじ1(あれば3cmくらいの生葉)
ビール......500ミリリットル(なければ水でもよい)
水......500ミリリットル
油......大さじ2
こしょう......小さじ1/2
塩......小さじ1/2
固形ブイヨン......1個
小麦粉......大さじ1
じゃがいも......1個(付け合わせ。ゆでておく)
葉野菜(レタスやサラダ菜など。付け合わせ用に)......4枚


【作り方】
1. 豚肉の塊に塩こしょうをすりこみ、1時間ほど置く。
2. フライパンに油をしき、強火で表面に焼き色をつける。
3. 2にたまねぎ、にんじん、タイム、ローズマリーを入れて、軽く炒める。
4. 3に水とビール、固形ブイヨン、月桂樹の葉を入れ、弱火でふたをして45分ほど煮込む。必要があればときどき肉をひっくり返す。
5. 4から肉を取り出し、野菜類をざるで濾してスープをフライパンに戻して熱し、小麦粉を加えてとろみをつける(その際、塩や水を加えて味を調整する)。
6. 肉を1.5センチほどにスライスする。
7. 6を皿に盛り、5のソースをかけ、ざるで濾した野菜と葉野菜、ゆでたじゃがいもを添えてできあがり。


〔文・レシピ:青木ゆり子(各国郷土料理研究家・世界の料理情報サイトe-food.jp運営)〕

今月1月からスタートした「おいしい話あります!」。今号が最終回となります。また、初めての試みとして、インターネットラジオでも食の話題をお届けしてきました。こちらも今月で終了しますが番組ウェブサイトから引き続きお聴きいただけます。一年間、ありがとうございました。


▼ インターネットラジオ「ごちそうリミックス」
今回紹介した南ドイツの肉料理「シュバイネブラーテン」を作るときのワンポイントアドバイス、世界の肉事情など、話題満載です。
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▼ iTunes「ごちそうリミックス」番組ページ
https://itunes.apple.com/jp/podcast/gochisourimikkusu/id1076774250?mt=2



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◆◆ スタッフのつぶやき
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みなさま、お元気ですか? 柴田です。
世の中は師走。忘年会の季節がやってきました。
今日は12月の辛い思い出を白状したいと思います。

20代の昔、私は夜な夜な飲み歩いておりました。
12月は忘年会という大義名分もあり、さらに大手を振って深酒三昧。

そんなある日、いつものように同僚と良い気分で飲んだ帰り道。突然近くの公園を走りたくなり、友だちが止めるのも聞かず、いきなりダッシュ!

猛然と走り回り、完全に怖い酔っ払いと化していた私は、何かに躓き激しく転倒したのでした。
なんていうか、野球のスライディングみたいな感じ? 結果、手も足も擦り傷だらけ、顔を触ってみるとべっとりと血が......。

「ひっ」私より先に、私を見た友だちが飛びすさりました。私も恐る恐る鏡で見てみると、そこには頬の皮膚が5cm四方ずる剥け、ホラー状態の顔が。
瞬間的に酔いは醒めました。

心配した友だちは(またはこれ以上関わるとマズイと思ったのか)速攻でタクシーを止めました。
流血の酔客を乗せてしまったタクシーの運転手さんは、しかし冷静でした。「シートカバー替えたばかりですから汚さないで下さいね」
「はい......」

みじめ......後悔先に立たず。覆水盆に返らず。
私はしょんぼりしましたが、落ち込んでいる場合ではないことに気づきました。このまま帰宅して(実家)、この不祥事が親に発覚したら......。

びっくりする→心配する→深夜の説教大会→門限強化。末路は悲惨です。まずい。非常にまずい。

20代の私にとって、1年で最も力を入れるべきイベント目白押しの12月に、飲み会禁止令が出てしまったら一大事です。なんとか事実を隠蔽し、親の目に触れず玄関から自室へ直行しなければ。

親を欺くことだけに全神経を集中し、なんとか私はこのミッションをやりとげました。しかしほっとしたのもつかの間、新たな問題が浮上しました。
朝は? この顔で朝食はどうする!

そこで翌朝は5時に起床。早めに出勤するとメモを残し、親と鉢合わせしないようコソ泥のように自宅を出たのでした。

「お酒はたしなむ程度に」
自業自得とはいえ、その後降りかかってくる苦難の数々に、常々親に諭されていた言葉が骨身にしみました。

何かと忙しい年の暮れ。お酒好きもそうでない方も、みなさん健やかにお過ごしくださいね。



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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