キャンパス内の「私の好きな場所」を韓国語で紹介しよう!
大学の魅力を韓国語で学内外へ発信できるようになることを目指し、キャンパス内の「私の好きな場所」について写真と簡単な紹介文を組み合わせたポスターを作るプロジェクト。受講生の数だけオリジナルのポスターが出来上がる点が面白い。紹介文を書く土台として必要な語彙・表現を習得するための活動は一回の授業(90分)完結型になっているので、部分的に取り出してアレンジし、実践することも可能です。
Category
- 言語
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- 日本語
- 韓国語
- 対象
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- 大学生
- 活動タイプ
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- アンケート調査
- ライティング
- リーディング
- 交流
- 作品制作
- 鑑賞
- アウトプット
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- ポスター
- 話題分野
-
- 学校生活
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単元目標
キャンパスを紹介するために必要な語彙・表現を習得し、キャンパス内の 「私の好きな場所」について、写真と紹介文を組み合わせたポスター(個人成果物、B4一枚)を作ることができる。
インタビュー
このプランは実践したものですか。
実践してみようと思ったものですか。
実現の可能性はありますか。
実践したものです。2019年度前期に、韓国語コース一年次必修科目「韓国語コミュニケーションⅠb(書く・読む)」のクラス(週1回90分)のうち、9回分を使って実践しました。(受講生は約50名で、韓国語を初めて学ぶ学生と独学や高校の授業で習ったことがあるという学生が混ざった、レベル差のあるクラスでした。なお、受講生の大半が、「韓国語ⅠA(週2回)」、「韓国語コミュニケーションⅠa(週1回)」の授業を並行して受講していました。)
どうしてこのプランを作ろうと思ったのですか。
発想の原点はなんですか 。
連携科目である「韓国語コミュニケーションⅠa(話す・聞く)」を担当する先生と、大学や地域の魅力を韓国語で学内外に発信するプロジェクトに挑戦しよう!と計画を練り、実践することになりました。私が担当する「Ⅰb(書く・読む)」のクラスでは、新入生それぞれの視点でキャンパスを観察し、魅力を発見し、発信してほしいという願いを込めて、キャンパスマップ(最終的にはキャンパスガイド的な、「私の好きな場所」紹介ポスターに変更)の作成を選びました。
実践してみて生徒の反応はどうですか。
実践していない場合、生徒のどんな反応が予想され、または期待していますか。
最終的に個人の成果物作成という形にしましたが、韓国語を初めて学ぶ学生も少なくなかったため、土台として必要になる語彙や表現については、ペアやグループで協働し、段階的にしっかり習得できるような活動を組み入れました。振り返りのアンケートでは、あまり話したことのないクラスメートとも助け合いながら学んだことで自分自身の変化・成長を感じられたという意見が、期待以上に多くありました。形として残る成果物を創り上げたことにも自信や達成感を持ってもらえたようです。また、キャンパスという身近なテーマにしたことで、授業で練習した語彙や表現を、教室の外でクラスメートと使っているという嬉しい声もありました。
このプランに対する自己評価を教えて下さい。
また、学習のめやすを取り入れた授業を試みるにあたって、どんな課題や効果があると思いますか。
今回初めて、一学期の大半を使ったプロジェクト授業を試みたのですが、着任したばかりの大学の必修授業で実践するというプレッシャーがあり、予想以上に受講生が多かったことや受講生間のレベル差もあったため、毎回、授業前日は徹夜になるほど悩みながら準備し、軌道修正をしながら進めた一学期間でした。反省は多々ありますが、受講生が無事に成果物を創り上げてくれたことに、まずは胸をなでおろしています。
喫緊の課題は、紹介文の下書きや成果物へのフィードバックの仕方です。今回は教員の負担が大きくなってしまったので、大人数の授業のフィードバックにおける、より効率的、効果的な方法を模索する必要があると感じています。
しかし総合的には、非常に得るものの多い試みだったと思います。実践全体を振り返って最も良かったことは、新入生一人一人が自分の通うキャンパスを観察して魅力を発見し、それぞれの視点で発信するという機会を持てたことです。一学期の学習で書ける紹介文には限界もありますが、学生たちは写真やポスターのデザイン・レイアウトなどの面でも様々な工夫を凝らしてくれたので、学生の数だけ独創的な成果物が出来上がりました。また、成果物を創り上げたという達成感を持ってもらえただけでなく、クラスメートの成果物を見ることで、気づきや刺激を得てくれたことも嬉しく思いました。学期内の鑑賞会や展示だけで終わらせず、今後も発信の機会を作っていけたらと考えています。
同業者仲間に向けて、ワンポイントアドバイスや感想を一言お願いします。
掲載プランは、「プロジェクト(語彙・表現の習得からポスター作成まで)」の形にしていますが、語彙・表現を習得するための活動は一回の授業(90分)完結型にしたので、一部分だけを取り出した活動を行うことも十分可能です。どのような教科書にも出てくる「語彙・表現(例えば位置、有無、可能の表現など)」と学生たちにとって身近な「キャンパス」を掛け合わせることで、学年や学科の異なる初対面の学生同士のペアやグループでも取り組みやすい活動を創ることができると思います。
執筆者
「外国語学習のめやす」マスター研修(2015)の修了者。参加当時は上智大学 Language Learning Center 講師(コリア語検定講座担当)。