最優秀賞を受賞した平松さんの作品は、海外の高校生に伝えるメッセージとしてとても素晴らしいと思います。日本の高校生からのメッセージとして、誇りを持って発信することができる作品です。マレーシアでマングローブの植林をして帰ってくるときの写真の表情と、授業案を準備しているときの真剣な表情とのコントラストも効いています。
優秀賞を受賞した中元さんは、プロの写真家のような表現力があると思いました。また同じく優秀賞の山根さんの作品からは、高校生活の楽しさや明るさだけでなく、太陽のような輝きが伝わってきます。一生懸命本気でやっている主人公の姿に心を打たれた山根さんは、ご自分も一生懸命撮ったのだと思います。この三者に共通しているのは、いずれも撮影者の心のインパクトや強い思いが感じられる点です。
審査員特別賞を受賞した本田さんの作品は予想外でした。よく見られる日本の高校生とは違う姿を描いており、こんな高校生の生活もあるのかと思いました。同じく審査員特別賞の長谷川さんの作品からは、家族の強いきずなを感じました。まさに妹だからこそ撮ることができたお兄さんの姿です。北上さんの作品は先輩の姿をよく表現していて、素敵な作品に仕上がりました。
4年間審査員としてコンテストに協力させていただきましたが、10年間にわたって応募された13,240枚の写真は、高校生が1枚1枚心をこめて写した写真であり、かけがえのない思い出でもあります。人生について、また友情や愛情について考える多感な時期をすごす高校生たちには、これからも身近な友達を見つめるといった小さなことを積み重ねて、社会を動かす力にして欲しいと願っています。このコンテストの今後の展開に期待し、これからもできる限りのご協力をしたいと思います。
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