自然な形でさまざまなハングルに接する
つかみの授業
新しいことばを学ぶとき、まず文字や音声からスタートすることが多いはず。でも、その方法は「文字のための文字学習」「音のための音学習」になっていませんか。文字と音声の練習に終始しているうちに苦手意識が芽生え学習意欲が削がれていくことのないよう、形式と意味を結びつけてみませんか。
Category
- 言語
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- 韓国語
- 対象
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- 中高生
- 活動タイプ
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- アウトプット
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- 話題分野
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言語の習得と文字音声
言語の習得とは意味と形式(音声・文字)のむすびつきを身につけることであるが、文字・音声の学習は、しばしば年間カリキュラムの冒頭におかれ、ともすれば意味との結びつきが希薄な状態で行われがちである。このような、言ってみれば「文字のための文字学習」、「音のための音学習」から脱して、実際の言語使用場面から接近すべきだと考える。
一つの提案(実践例)
自己紹介の際に交換される名刺に書かれる名前や、生徒が日頃から親しんでいる地名や施設名の読み書きから、ごく自然な形でさまざまなハングルに接しつつ、ハングルの仕組みに気づき、理解し、使えるようになる授業づくりを追求し、以下の活動を実践している。
学習者の言語レベル:1
- 自分が想定している範囲で、基本的な言い回しを使って、相手の協力を得られれば簡単なやりとりができる。
- 自分にとって身近な事柄について、短い語句や文で表現することができる。
- よく耳にしたり目にしたりする語句のうち、ごく基本的なものを理解することができる。
話題分野
- 【自分と身近な人びと】
- 【通と旅行】
- 【学校生活】
学習目標
- ハングルとローマ字を比較し、その関係性を発見することができる。
- ハングルで自分の名前を書いて名刺を作ることができる。
- クラスメイトと名刺交換をして、簡単な自己紹介の挨拶をすることができる。
- クラスメイトの名刺に書かれたハングルをひらがなやローマ字の助けを借りて書いたり、読んだりすることができる。
- 横浜について知っている情報を動員しながら、ハングルで書かれた横浜の地図を解読することができる。
- 未知なるハングル文字を、想像力を使って解読し、その法則を類推できる。
- どのような自己紹介の内容にすると仲良くなれるかを考えることができる。
執筆者
山下誠(やました まこと)鶴見総合高等学校教諭(韓国語)、増島香代(ますじま かよ)神奈川県立横浜清陵総合高等学校教諭(韓国語)による合同プラン(所属名と担当科目は当時)。