高校生の生活フォトメッセージコンテスト　入賞作品

「高校生のフォトメッセージコンテスト」は2006年度の第10回をもって終了しました。
2008年からは、読売新聞主催「第30回よみうり写真大賞」において、高校生部門として「フォト＆エッセーの部」が新設され、
同部門が「高校生のフォトメッセージコンテスト」を継承することになりました。
詳細はこちらをご覧ください。 【読売写真大賞】http://www.yomiuri.co.jp/photogp/

第10回コンテスト（2006年）

第９回コンテスト（2005年）

第８回コンテスト（2004年）

第７回コンテスト（2003年）

第６回コンテスト（2002年）

第５回コンテスト（2001年）

第４回コンテスト（2000年）

第３回コンテスト（1999年）

第２回コンテスト（1998年）

第１回コンテスト（1997年）

最優秀賞
「いつも、彼らしく」／井上慶太

優秀賞
「美香17歳輝く瞬間」／山見茜
 「エリナ16歳」／中才知弥

審査員特別賞
「ハッスル母ちゃんマリコの青春」
／阿部俊士
 「心の光 ☆ きらきら」／菊池恵美
 「柔道を通じて生活の充実をはかる」
／前地昭寛

奨励賞
「笑って楽しくDancing」／大城水絵
「まっすぐにみる」／三村朋恵
「沙苗☆素☆生活～典型的でもけっこう大変～」／大沢亜実
「千絵さんのつれづれなる日々」
／青井茜
 「僕の師匠、栄さん」／馬越雄太
 「毎日黙々と練習に励んでいる」
／桑室健一
 「それゆけ!! 純ちゃんマン」／松原綾子
「プールのお兄ちゃん」／竹田靖
「皆の人気者」／松元ダニエル
「私の空間－自分らしく－」
／藤原みどり
 「笑顔で行こう!!」／櫃本有可里

第４回コンテスト（2000年）の入賞作品

奨励賞
「僕の師匠、池上さん」馬越雄太　大阪府立大手前高等学校定時制課程


		池上さんの喫茶店「瑞穂」での風景。来月（1月）出産予定の妊婦さんとその家族。友達もたくさん来ていつもお店はにぎやか。喫茶店マスターの素顔。

		芸術文化祭に出展するための絵を描く池上さん。絵は日本画。4Fにあるアトリエで手元のランプだけで殆ど描いていた。学校での「池上さん」ではなく、恐ろしいほどの気迫漂う芸術家だった。

		隣で一緒にさつまいもを食べているのは一年先輩の写真部の西山さん。一緒にいるだけで「デレデレ」。やっぱりいくつになっても男だなあと思って撮った一枚。

		池上さんは幼いころ、長崎で被爆された。

		池上さんが笑うと一緒にもれなく出てくるこの「シワ」。まわりにいるみんなを包み込んでくれるような笑顔の象徴。僕の一番好きな所。

「池上さん、池上さんの写真撮らせてもらっていいですか？」「こんなじじいでよかったらなんぼでも。」と笑って池上さんは言ってくれた。普段から池上さんの笑顔は印象的でとっても声を掛けやすく、他にはない親しみがありました。撮影にあたって「家にお邪魔させてもらってもいいですか？」と尋ねると「ええよ。」と即答。こっちの都合であつかましいお願いにもかかわらず、OKしてくれました。
　池上さんは昔から日本画を描いていて家の4Fにある「アトリエ」で暇を見つけては創作活動を続けている。池上さんの描く絵の色遣いが僕はとっても好き。（カラーでないのが残念。）（写真＃2）
　池上さんは喫茶店のマスターでもある。家の1Fが「瑞穂」というお店。瑞穂は奥さんの名前。「奥さんの名前をお店に付けるなんて、なんて素敵なんだろう。」お店に来るお客さんはみんな池上さんのお友達。写真に写っている妊婦さんは池上さんを「パパさん」と呼ぶ。みんな僕がカメラを向けても、かまえたりましてや逃げたりなどする人は一人としていなかった。「写真出来たら頂戴ね。」「はい！！」嬉しかった～。池上さんのまわりに集まってくる人はみんな本当にいい人達だ。地下鉄で池上さんの夜の帰宅風景を撮っていた時に失敗しているだけにその嬉しさと言ったら表現の仕様がない。
　4枚目の写真。辛かった。こんなに辛いものだとは思わなかった。13歳（中学2年生）の時に長崎の兵器工場で被爆した。「それまで（11時02分まで）のことはよく覚えているがその後は空白。ただひたすらその場所から逃げようと必死につえをつき、故郷（家族のいる所）をめざし線路を一番中歩き続けた。怖いとかなによりも痛く苦しかった。」と語ってくれた池上さんの表情にいつもの悠然とした雰囲気は感じられなかった。僕はそれ以上池上さんの話を聞けなかった。僕よりも池上さんが言えなった。
　だけどそんな池上さんを見れたことでいつもの池上さんの笑顔に奥深さを感じれる様になった。精神的、肉体的に極限を体験し、中学、高校に入学し夢に向かってがんばる同級生がこんなに近くにいる。
　ほんの一部しか「池上さん」を紹介できなかったけど、僕自身「池上さん」を発見できたことを本当に誇りに思います。

今、友達がたくさん出来たこと。今学校に行って、孫のような子供達と一緒に勉強することが一番うれしいことです。色々あるけれど学校に行くのが楽しくてなりません。先生方にはご迷惑かけていますが学校は好きです。
　何でもやって行こうと思います。一日に一つでも身につけて行こうと思います。