私が琴ちゃんを撮り始めた頃、私は自分自身について悩んでいました。正直に言うと、写真を撮るどころではありませんでした。それでも、なぜか写真を撮っていると頭がカラッポになって彼女と向き合うことが出来た。琴ちゃんはとにかくおもしろい。カメラを向けると必ず「変な顔」をする、「変なポーズ」をとる。彼女にしてみれば照れ隠しなのだろうが私にはものすごくそれが彼女らしかった。琴ちゃんは、人を笑わすのが好きなんだと感じた。いつも自分に無理をしすぎず、マイペースで自分の感じた事、思った事をまっすぐに人に伝えられる彼女を私はとても「いいなぁ」と思いました。
学校の琴ちゃんは誰とでも話せて仲良くしていける。バイト先の琴ちゃんは、自分の仕事をきちんとこなして仲間に信頼されている。自宅で家族といる琴ちゃんは、少しわがままで飼い犬と飼い猫とばかり遊んでいる。そして、私といる時の琴ちゃんは、写真を撮り始めてから、撮り終わるまでに、だんだんと私のほうへ近づいてきてくれたように思う。いろんな彼女を見た私は、私自身が悩んでいたのは、私が無理をしているから起こるのだと気付いた。琴ちゃんは、いつでもだれの前でも「自然体」でいる。そんな琴ちゃんと一緒にいると、肩の力が抜けて、私は笑顔になれます。
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