最優秀賞の佐々木一貴君の作品は、不登校生のフリースクールに出かけ、頼れる兄貴的な存在の主人公に魅力を感じて撮影した物語です。年齢の違う不登校の子供たちが、悩みを抱えながらも集団生活をしているフリースクールで、かつて不登校だった主人公が、リーダーとして活躍する姿を見事に表現しています。家族的な生活環境や、年齢の差を超えたふれあいが生まれて、かつての不登校生がはつらつと生活し楽しんでいるところに、作品の素晴らしさを感じました。ことに仲間が集まって話し合っている光景が印象的です。
優秀賞の西口謙君の作品は、西口君が大切な友達の主人公に出会い、彼との交流の中から学んでいること。そのかけがえのない友の姿が、1枚1枚の写真に克明に写しこまれています。友達を作ることは高校生活の大切な一部です。恐らく生涯の友として二人の友情が続くのではないかと思います。そういう思いが写真に写し出されています。
同じく優秀賞の園部竜也君の作品は、主人公が、恋をして恋に破れてもなお強く生きようとする姿を表現しています。高校時代の多感な時期には、学校の授業で学ぶとともに、友達との交流を通じて社会や人生について学んでいくものです。園部君も主人公の姿を撮りながら自分を見つめなおそうとしており、作品には二人の大切なきずなが写しこまれています。失恋にもかかわらず教室で明るくふるまっている姿、家族と談笑する姿などもあり、「初恋から変わる君」というタイトルにふさわしい作品に仕上がっています。
撮る人が興味や好奇心や夢を持って、主人公に迫り対話をするとき、素晴らしいストーリーが生まれます。伝えたいものがある人が撮った写真からは、メッセージが飛び出しているものです。それを次回の作品づくりの参考にしてほしいと思います。
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