撮影と交流の記録・大阪府
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前日までに撮った写真を見直して、最後の日の今日、何を撮りに行くかを決めました。これまで大阪で感じたこと、いちばん伝えたいことは何かを考えて、「夏の暑さ」「人と人の距離の近さ、つまり熱さ」というテーマが見えてきました。
テーマ「夏の暑さ」「人の熱さ」を表現するため、さらに何を撮ればいいか考えたとき、もともと関心のあった「高校生の生活」というキーワードが浮かびあがりました。「暑さ」「熱さ」「高校生の生活」を表現できるもの――そうだ、高校生のクラブ活動を撮りに行こう!という結論に至りました。
飛び込みでしたが、花畑先生のつてで宿舎の近くの高校へ。オリンピック選手も輩出する名門清風高校。突然の訪問にもかかわらず、撮影に快く応じてくださいました。
「このフォームは完璧。高いボールに届こうとする様子が何かを達成しようとする情熱を表現している」と、自分もテニスをするポール一押しの一枚。最後の話し合いで、25枚のうち高校の写真が3枚というのは多すぎると、作品には入れないことになりました。
清風高校の体操部のみなさん、ご協力ありがとうございました。指示もないのにさっと椅子を持ってきてくれたり、コーチの一声ですばやく集合したり、統制の取れた動きに、海外の2人は感心した様子でした。日本の2人はそんなポールとポリーを見て、新たな視点で日本のクラブ活動を見たようです。
工芸高校のゆきなちゃん。この日はずっと同行してくれました。
大阪で最後の写真選び。「この写真を撮ったとき、何を感じたのか?」「この写真で伝えたいことが伝わるのか?」一人一人の意見が積み重なり、チームの意見になっていく、そんな充実した時間でした。
やっぱコレでしょっ!第一次候補の写真をプリントアウトして、絞り込む作業を続けました。
作業は夜中まで続きました。最後のほうは半分眠っていたけど、みんな本当によくがんばったね!
【担当者より】
この日の夜が写真選びのクライマックスでした。その過程では、誰が撮ったかは関係なく、それぞれがいいと思う写真を推していました。各自が残したいと思う写真とその理由を説明し、やりとりを続けました。
体操部、テニス、下駄箱の3枚を2枚に絞ることになったときのこと。体操部の写真は清風高校の象徴として問題なく残ることになったのですが、テニスか下駄箱かがなかなか決まりません。テニスの写真はポールが一押し。ほかのみんなもその意見には賛成でした。
一方、体育館の下駄箱の写真は、撮ったしんじ自身もひろみも「当たり前の風景で、別におもしろくない」。でも、ポリーは「本当に靴を脱ぐんだ」「夏休みにクラブ活動をするなんてすごい」と新鮮に感じたから残したいという意見。また、下駄箱の上にある靴についても、日本の高校生が「ただ面倒くさくて上に乗せただけでは?」と考えたのに対し、ポリーの解釈は「きっと早く部活に行きたくて片づける時間も惜しかったんだ。」ひろみやしんじは、そんな感じ方の違いをおもしろいと感じたようでした。
最終的には、ポールが「下駄箱がいいという理由もよくわかる。テニスの写真を落としてもいい」と譲り、下駄箱の写真が作品に入ることになりました。