撮影と交流の記録・広島県
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朝8時に平和記念公園へ。今日も暑い一日になりそうだ。
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平和宣言を読み上げる子どもたち。62年前の今日、この地に原爆が落とされた。この辺り一帯は、原爆で焼き尽くされる前は、小さな飲食店が軒を連ねる繁華街だったという。広々とした公園には、もうその面影はない。
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8時15分の鐘の音とともに、原爆による死者の姿を模して、平和を訴える人々。
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祈りを捧げる人々を、静かにそっと撮影する、さわこ。
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デモ中の人々を撮るダニエル。公園には実に様々な意見を持った人々が集まってくる。
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小さな子供に出会うと気持ちが和む。「こんにちはー。写真とってもいい?」
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被爆体験を語るおばあさんの話を熱心に聴くコースケ。「原爆が落とされた後、頭の皮膚が突然激しく痛みだしたので病院に行くと、中からガラス片がでてきた」とか、「辺り一面真っ黒に焼けていて、川は人々であふれかえっていた」など、生々しい話が衝撃的だったとコースケは話していました。
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昼すぎに撮影終了。約4時間ずっと歩きまわって写真を撮りつづけました。
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バスに乗って庄原へ。自己紹介を終えた後は、みんな疲れて眠ってしまいました。
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夜は、写真部メンバーの家でホームステイ。プレゼントの甚平を着て笑顔のダニエル。
ホテルから原爆ドームまで歩いて約10分。もう全身から汗が噴出してきました。人波をかき分けて原爆ドーム前に到着してしばらくすると、原爆投下の時刻、8時15分を知らせる鐘の音が鳴り、その場に集った人々は一斉に黙とうをはじめました。
テレビ中継される公式行事は公園の奥で厳粛に執り行われており、ドーム周辺には実にいろいろな人が集まってきます。花束や千羽鶴を持ってお祈りにやってきた人、核兵器廃絶や戦争反対を訴える人、小中高校生の学習グループ、また、安倍首相の退陣や労働者の問題について拡声器で喚き散らす人や、布教活動をしている人などもいます。本当にいろいろな人がいます。拡声器を使って大声で主張を続ける人々の横で、慰霊碑に向かって静かな祈りを捧げていたご婦人が、両手で耳を塞ぎながら悲しそうな顔をしていたのが印象的でした。平和を願う気持ちは大切ですが、声高らかに叫びすぎると、気持ちはどこかへ失せてしまうのかもしれません。
公園は独特のお祭りムードで、とても写真が撮りやすかったです。様々な活動をしている人に次々に声をかけて、4人は積極的に写真を撮っていました。お昼近くなると人が少なくなりはじめ、公園の裏の方では被爆体験について語り継いでいるおじいさんやおばあさんに会うこともできました。
撮影終盤、なんと、さわこが田村先生を追いかけて走っています! ビックリしました。さわこは自分の好きなものがよくわかっていて、自分の撮影スタイルを持っているから、あまり他人のアドバイスを必要としていないように僕には見えたのです。その彼女が、あえて自分のスタイルを捨て、田村先生の後を追いかけて一緒に撮影してみることで、自分から新しいものを学ぼうとしているのでした。感動しました。みんなそれぞれ一生懸命に頑張って、チャレンジしているんだなって思ってうれしくなりました。