「めやす」のコミュニケーション・モードってなに?
「めやす」ではことばの使用場面を4技能で捉えるのではく、対人(やりとり)、解釈(理解)、提示(表現)という3つのコミュニケーション・モードで捉えています。たとえば、手紙やメールを書く場合の「書く」は対人モードであり、レポートを書く場合の「書く」は「提示モード」になります。
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「めやす」で取り扱っているコミュニケーション・モードの種類とモードの特徴は以下の通りです。
対人モード(やりとり)
話す・聞く
日常会話、電話での会話、面接やインタビュー、討論、あいさつ。
書く・読む
メールや手紙の交換。
- 話し手が直接、間接(電話や手紙など)に接触し、話しことばまたは書きことばを通して行なう双方向のコミュニケーション。対話に参加する者の間で意味のあいまいなところを明確にする意味交渉が行なわれる。
- 対人モードが正しく実行されるには、コミュニケーションの目的に応じて意味交渉がどのような流れで行なわれるか認識するなど、適切な戦略を使える社会文化的知識も重要。
解釈モード(理解)
聞く
電車等の車内放送や録音された電話案内を聞く、ラジオやテレビドラマを聴く、見る。
読む
街頭の広告を読む、新聞や小説を読む。
- 話しことば(音声)や書きことばを通して、意味、情報、感情を受けとる受動的なコミュニケーション。情報の提供者はその場にはおらず、情報の受け手が提供者の発した話しことばや書きことばを通して情報を理解、解釈しようとする。
- 情報には言語だけでなく、図、絵、写真、表など理解、解釈を助けるものが含まれることもある。
- 言語知識を使って意味を理解するだけでなく、いろいろな情報、知識、スキルを使い、個人的に解釈していることに留意。また意味交渉ができないため、より高度な言語力、文化力、思考力が必要。
提示モード(表現)
話す
ビジネスプレゼンテーション、聴衆の前で歌を歌う・劇を演じる、講義をする、子どもに話を聞かせる。
書く
新聞の記事を書く、ニューズレターを作る、ポスターを作る、レポートを書く。
- 話しことば、書きことばで聞き手のグループや直接接触のない読み手や聞き手に対して、意味、情報、感情を伝える能動的コミュニケーション。意味がわかりやすいようにある種の構成(例えば、導入部分、結論部分など)を作ったり、相手の文化的規範に従った形式で情報を伝える。
- 文字情報のほかに、写真、絵、表などの統計的データなどを伴うこともある。
- 聴衆、読者に応じた情報の伝達方法を選択する文化的能力も必要となる。相手を説得しようとすると、高度思考力を使うことになるし、プレゼンテーションでは、情報活用力も求められる。
コミュニケーション・モードの考え方は以下の文献を参照しました。
National Standards in Foreign Language Education Project (eds.): Standards for ForeignLanguage Learning in the 21st Century, National Standards Collaborative Project, 1999.(21世紀の外国語学習スタンダーズ、外国語学習ナショナル・スタンダーズプロジェクト)
執筆者
1987年6月に講談社、王子製紙、大日本印刷、凸版印刷、日本製紙、三菱東京UFJ銀行、計6社の出捐によって設立された事業型財団で、2011年4月に公益財団法人移行しました。国内外の学校、教師、行政機関、民間団体と連携して、日本と海外の子どもたちが互いのことばと文化を学び、交流する場をつくる事業を中心に行っています。
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