「ブレンディッド・ラーニング」が示唆する「つながる学び」
高校の中国語教育にも携わる杉江聡子氏が三ツ木真実氏と共同執筆された実践論文を紹介する。対面指導とオンライン学習を組み合わせた「ブレンディッド・ラーニング」がテーマ。「外国語学習のめやす」のコンセプトやTJFの「協働を生み出すプロジェクト」の関連実践も先行研究として引用されている。
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- 言語
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- 中国語
- 対象
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- 中高生
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掲載誌:教育システム情報学会誌
出版者: 教育システム情報学会 第32巻第2号 160-170頁
発行日:2015年 4月 1日
論文タイトル:「遠隔交流を活用した中国語ブレンディッド・ラーニングの実践と混合研究法による評価」
論文の主旨
中国語教育・学習におけるICT活用に関する近年の研究は,eラーニング教材開発, コンテンツ開発及び量的分析により学習者の文法知識を測定するものが主流である.高校中国語で遠隔学習を実践し,その効果について詳細に分析したものは少ない.本研究では,日本と中国の学生間遠隔交流を活用した高校中国語におけるブレンディッド・ラーニングのインストラクショナル・デザインを実践した. また, この実践は, 人間中心設計と学習意欲のデザインの理論に基づくものである. 本研究は, 学習成果を混合研究法によって分析することで,学習者にとっての学びの経験とその解釈を探究することをねらいとしている.
著者からの一言
この実践については、現在、博士論文を執筆中ですが、本稿は概要と一部データの分析を取り上げたものです。一時期のビデオ会議システムを用いた遠隔流行りは過ぎ去りましたが、個人端末利用によるグローバルな遠隔実践が手軽にできる時代を迎えています。コストをかけず、オープンリソースに対して開かれたブレンド型学習が当たり前になる時代です。学生にICTツールの使用を禁止するのではなく、積極的に導入しながら課題を探り、教師が学生をうまく支援して、適切な使い方を知り、実際に使いながら学べるような教育実践が増えることを願っています。
関連リンク
・コミュニケーション力と協働力の育成を目指して-高校中国語教育での実践報告-
http://www.jacle.org/journal.htm#11
・異なる背景をもつ同世代とコミュニケーションする力、協働する力およびICTリテラシーの育成をめざした外国語教育のモデルづくり
執筆者
1987年6月に講談社、王子製紙、大日本印刷、凸版印刷、日本製紙、三菱東京UFJ銀行、計6社の出捐によって設立された事業型財団で、2011年4月に公益財団法人移行しました。国内外の学校、教師、行政機関、民間団体と連携して、日本と海外の子どもたちが互いのことばと文化を学び、交流する場をつくる事業を中心に行っています。
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